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第百十一話 鍛冶仕事一日目 (2)

また更新しました。いつも読んでくれている人も、そうでない人も最後まで楽しんでくれたら嬉しいです。


 そして鍛冶場に入った白夜とヘパイストスの二人はゆっくりと見回した。そこは外から見たよりも圧倒的に広いザ・作業場‼と言った感じの光景が広がっていた。

 それを確認した白夜達はざっと確認しただけだが、変な所が無いのを確認すると安心したように一息ついて話し出した。


「ふぅ~、ここは普通だな。よかったぁ~さすがに仲間で何とも言い難い感じだったら大幅に改装しないといけなくなるところだったぜ…」


 白夜が安心したように息を吐きながらそう言うと、それに同意するようにヘパイストスも話し出した。


「……うん、ここも外みたいになってたらさすがに…いや…」


 ヘパイストスは裏の泉の光景を思い出したようで、すごく嫌そうにそう言った。

 それを聞いて白夜は少し苦笑いを浮かべていたが、すぐに切り替えて設備の確認を始めた。白夜のその行動を見てヘパイストスもゆっくりと後を追うようにして同じように機材の確認を始めた。


 最初に二人が確認したのは窯だった。鍛冶仕事の中でもかなり大事な位置にある窯は白夜とヘパイストスの二人にとっても大事な物だったようで一番最初に確認したのだった。

 その窯はかなり巨大で幅五メートル、高さ三メートルほどの大きさだった。さらに見た目は普通のレンガや鉄製の窯とは違い、何処か機械のような幾何学模様がいくつも刻まれた黒い金属でできた窯だった。

 そして白夜とヘパイストスの二人は窯に近寄ると少し触ったりしながら見て回りながら話し出した。


「へ~こういう感じの奴なんだなぁ、見た目だけだといまいち使い方がわからん…が、まぁどっからどう見てもこれが怪しいよなぁ~」


 白夜は窯の扉の横に着いている丸いクリスタルを見ながらそう言った。

 それを少し後ろから見ていたヘパイストスは、いつまでも窯に火を入れてみようとしない白夜に我慢できず、白夜の横を通り抜けてクリスタルに触れた。

 その瞬間クリスタルが薄っすらと光り出し、それと同時に今まで静かだった窯の中からゴォォォ!と言うように炎のもえる音がしだした。


 そしてその段階になって白夜はようやく正気に戻り、ヘパイストスの方へと振り向き少し怒ったように話し出した。


「おい、ヘパイストスなんで俺に断りなく窯の火をつけた?もし加減を間違えたら爆発するかもしれないと言ったよな?俺、間違いなく言ったな。それでなんで勝手に火をつけたのか正当な理由を言ってみな?」


 白夜はか笑みを浮かべながらそう言った。

 それを見てヘパイストスは恐怖したようで後ろに一歩下がりながら話し出した。


「…そ、その…早く火をいれてみたくて…ごめんなさい。勝手な事して…」


 ヘパイストスは落ち込んだようにうつむきながら心底申し訳なさそうに謝った。

 それを見て白夜は見下ろしていたが、すぐにやさし気な表情でヘパイストスの頭を撫でながら話し出した。


「まぁ気持ちは分からなくは無いけどな、それでもせめて確認を取ってから今度はやろうな?そうじゃないと本当に危険だからな。わかったな?」


 白夜は顔を覗き込むようにしながら諭すようにそう言った。

 それを聞いてヘパイストスは撫でられた事に少し恥ずかしそうに顔を赤らめていたが、すぐにそんな様子も無くいつもどうり無表情になるとゆっくりと話し出した。


「…わかった。次は気を付ける…」


 ヘパイストスが短くそう答えると白夜は少し苦笑いを浮かべながら話し出した。


「あぁ、まぁ分かってくれればいいんだよそれで。さて、それじゃぁ他の物も確認するか」


 白夜が少し楽しそうにそう言うと、ヘパイストスも少し楽しそうに無言で頷いた。

 それを確認した白夜は近くにあった鎚等を確認して行った。その道具等もよく分からない黒い金属や、白い金属でできていた。更にそれらすべてにも窯と同じように幾何学模様が彫られ、つかの端にはクリスタルがはまっていた。

 それを確認した白夜は鎚を叩いてみたりしながら考え込んでいた。


「ふむ、触った感じは普通の金属っぽいがこの模様とかに何か意味があるのは確かだろうし…やっぱり魔力か……うん!考えていても答えは出ないしとりあえずやってみるか‼」


 白夜はそう言うと手に持ったままの鎚のクリスタルに魔力を流し始めた。

 するとすぐに鎚が薄っすらと光り出した。それを確認した白夜はもう一度鎚を手で叩いてみると、先ほどは普通の鉄ほどの硬さだったが今はその数倍以上の硬さが有った。

 それを確認した白夜は更に魔力を込めたらどうなるのか気になったようで、今度は先ほど以上に魔力を流し込んだ。

 するとまた薄っすらと光り出した。しかしそこから先は先ほどとは違い今回は徐々に鎚が巨大化して行ったのだ。最終的に鎚の大きさは百三十センチ程まで大きくなっていた。更にその強度はもはや鉄とは比べ物にならない程までの強度を持っていた。

 しかしそれほどまで巨大化したにもかかわらず何故か重さが変わっていなかったのだ。


 それを確認した白夜は楽しそうに、そして興味深そうに鎚を眺めながら話し出した。


「おぉぉ~!何これおもしろ!大きさと硬さは変わっても重さは変わらない、おもしろいけどこれどういう時に使うんだ?」


 最初は面白い機能に興奮していた白夜だったが、途中から何に使ったらいいのか分からなくなったようでその事に着いて考えだした。

 それを見てヘパイストスは何か思い浮かんだようでゆっくりと話し出した。


「…それ、多分…大きな素材を加工する時のためだと思う…」


 ヘパイストスが自信無さげにそう言うと、白夜は顔を驚いたようにヘパイストスの方に向け話し出した。


「あぁぁ‼なるほど、例えばドラゴンの素材とかだよなあんな大きな素材どうやって加工しようかと思ってたんだが、なるほどこれなら解体して必要な大きさにするんじゃなく、そのままの大きさで好きなように加工できるようになるって事か…なるほどこれは面白いな!」


 白夜はヘパイストスの言った事を聞いてその事を一人で考えて納得しだした。

 その様子を見てヘパイストスは話しかけるタイミングを逃してしまい、少し困ったようにしながらそこに立っていた。


 そしてその後も白夜は一人で楽しそうに考え込んでいたが、さすがに四十分程続けた頃さすがにそろそろ疲れたのか一息ついてゆっくりと話し出した。


「ふぅ~、さてちょっと時間を掛けすぎたなぁ~ってそれよりヘパイストスは?」


 白夜はそう言うとあたりを見回したが、そんな必要は全くなかった。

 何故ならヘパイストスは白夜の後ろで無表情で立っていたからだ。

 それを確認した白夜は無表情でただ佇んでいるヘパイストスを見て少し恐怖したが、それを表に出すことなくゆっくりと話し出した。


「お、おぉそこにいたのか、だったら話しかけてくれても良かったのに」


 白夜が少し冷や汗を流し、気まずそうに眼を逸らしながらそう言うとヘパイストスは特に表情を変える事無くゆっくりと話し出した。


「…だって、主何か楽しそうだったから…邪魔しちゃダメかと思って…」


 ヘパイストスが少し落ち込んだような声音でそう言うと、白夜は気まずそうにしながらゆっくりと話しだした。


「あぁ~そうだったのか、それは少し悪いことしたな。ただ、たぶんこれからも同じような事もあるだろうから、そういう時は特に気にせずに話しかけてくれてかまわないからな?それでも気が付かない時は頭でも軽く叩いてくれれば気が付くからそうしてくれ」


 白夜が苦笑いを浮かべながらそう言うと、ヘパイストスは少しの間驚いたように目を見開いていたがすぐに何時ものように無表情になるとゆっくりと話し出した。


「…わかった。今度からそうする…」


 ヘパイストスが短くそう言うと白夜は少し苦笑いを浮かべながら話し出した。


「ははは、まぁ手加減を忘れないならそれでいいんだけど。さて、それじゃぁ本格的に始めるか!鍛冶を‼」


 白夜が元気よくそう言うと鍛冶仕事を開始した。

 それを確認したヘパイストスもその後を追うようにして鍛冶仕事を開始した。


誤字、脱字など気になる点が有りましたら教えてください。気に入ってくれた人が居たらブクマや評価よろしくお願いします。

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