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黄昏は悲しき堕天使達のシュプール  作者: Mr.M
三章 Remnant 6月

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第46話 「葉山実果」

俺が『Riverside Doom』に着くと、

すでに3人は煙草を吸っていた。


「それ大吾に盗られたヤツだ!」

すぐに洋が、

俺の持っている

ビデオカメラに気付いた。

「大吾の家に侵入して、

 取り返してきたんだ」

「まじかよ!

 あっくん、すげーよ!

 さんきゅー」

俺が冗談交じりに言うと、

洋は飛び上がって喜んだ。


「そうだ。

 聞いてくれよ」

洋は吸いかけの煙草を地面に捨てると、

乱暴に踏みつけてから

ポンッと手を叩いた。

「昼休みが終わるちょっと前にさ、

 屋上のフェンスのところに、

 人がいたんだ。

 誰だと思うよ?」

翔太は

「さあ?」

と言って煙を吐き出し、

茜は

「わからないわ」

と首を傾げた。

俺は首を竦めた。

「何と・・。

 ボス猿と葉山だったんだよ」

そう言って、

洋は大袈裟に両手を広げた。

「それで洋は、

 ドッジボールから早く抜けて、

 校舎に戻ったんだね」

翔太は納得したように、

うんうんと頷いていた。

「ひひひ。

 謎を解いてこそ名探偵だぜ」

「前に放課後。

 グラウンドで

 ドッジボールをしてた女の子よ?

 覚えてる?

 あっくん?」

茜の説明に俺は頷いた。

同時に。

頭には体操着に書かれた

「葉山実果」

という文字が浮かんでいた。

「でも。

 猿田先生と葉山さんが

 一緒にいたとして、

 それがどうしたの?

 何も問題は

 ないんじゃないかしら?」

洋は茜のその問いには答えず、

先を続けた。


校舎に戻った洋は、

階段を駆け上がった。

そして。

屋上の扉の前で葉山とぶつかった。

洋は体勢を崩し、

葉山は勢いよく尻餅をついた。

「そしたらさ。

 葉山が泣いてたんだ」

それほど強くぶつかったわけではない

と洋は俺達に主張した。

洋が謝ろうと口を開きかけたその時、

扉が開いてボス猿が現れた。

直後、

葉山は立ち上がって、

階段を駆け下りていった。

洋が葉山の後姿に目を奪われていると、

「こんなところで何をしてるんだ!

 もうすぐ休み時間は終わる。

 早く教室に戻れ!」

とボス猿に怒鳴られたという。


「あれは絶対に何かあるぜ」

ボス猿への不満を

ひとしきり口にした後で、

洋はそう言って、

口元を歪めた。

「そういえば最近の葉山さん、

 元気がなさそうね」

茜の声が

ぼんやりと耳に入ってくる中で、

俺は大変なことを思い出していた。

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