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黄昏は悲しき堕天使達のシュプール  作者: Mr.M
九章 Revenge 12月

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120/136

第120話 3人・・?

12月16日。土曜日。

この日の朝。

チャイムが鳴って、

教室に現れたのは、

またしても校長の勅使河原だった。

「畑中先生は体調が優れないから

 今日はお休みでぇす」

そう説明して、

校長は出席簿を開いた。

俺は空席になっている

茜の席に目を向けた。

茜には、

今日まで学校を休むように、

助言していた。


2時間目と3時間目の間の

20分休みに、

俺は翔太と洋をベランダに呼んで、

茜がここ数日、

学校を休んでいる理由について

『ストーカー被害』

によるものだと説明した。

2人が

「すとーかー?」

と首を傾げたので、

俺はそこから説明する必要があった。

この時代。

ストーカーという単語は、

まだ世間では馴染みのない言葉だった。

「茜に付きまとって、

 困らせている悪い大人がいる」

と説明すると、

「それは許せないよ!」

「俺達で捕まえて

 警察につきだそうぜ」

と2人は息巻いた。

「それよりも。

 2人に聞きたいんだが。

 この学校で、

 白髪のオールバックに、

 黒いサングラス。

 そして口髭を生やした

 教師はいるか?」

俺の質問に2人は首を傾げた。

「その人が悪い大人?」

「茜ちゃんの『すとーかー』って

 そいつのことか?」

「いやいや。

 ストーカーが誰なのかは、

 まだ誰かわかってないんだが。

 一度怪しい人間を

 見かけたらしくてな。

 知らなければそれでいいんだ。

 来週から茜も登校してくるから

 2人には茜の護衛を頼む」

どうやら翔太も洋も

男には心当たりがないようだった。

「うん!

 わかった!」

「俺と翔太に任せとけよ」

2人は力強く頷いた。


放課後。

俺は職員室へ向かった。

職員室前の廊下は

ひっそりと静まり返っていた。

俺がドアに手を掛けようとした時、

ドアが開いて

中から若い女教師が出てきた。

ミニスカートに

体の線が協調された服。

紅葉と呼ばれていた

あの女教師だった。

「あら?

 君は確か・・この間の?

 たしか畑中先生のクラスの子ね?」

「う、うん」

「どうしたの?

 畑中先生は

 今日はお休みだったでしょ?」

「あのさ・・。

 紅葉先生に

 聞きたいことがあるんだけど」

俺は咄嗟に無邪気な子供を演じた。

ここで紅葉と遭遇したのは幸運だった。

「私に?

 何かしら?」

「このことはさ。

 他の先生には

 言わないでほしいんだけどさ」

俺はそう釘を刺してから、

茜の話に出てきた男の特徴を説明した。

紅葉は豊満な胸の前で腕を組み、

考え込んだ。

「白髪のオールバックに

 黒いサングラス、

 そして口髭を生やした人?

 そんな人は・・。

 この学校にはいないわねぇ」

その答えは俺を落胆させたが、

続く言葉は聞き逃せなかった。

「でも。

 似たような特徴を持った先生なら

 3人いるわよ」

「3人・・?」

「そう。

 白髪のオールバックは伊達先生。

 それに。

 伊達先生はサングラスもかけてるわ。

 織田先生はサングラスをかけて、

 口髭も生やしてるけど、

 黒髪のパンチパーマよ。

 そして。

 口髭なら前田さんも該当するわ。

 ただし。

 前田さんは

 サングラスもかけてないし、

 坊主頭だけど」

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