表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デバッグアルバイトのおっさん、転生して勇者となる。(デバゆう)~デバッグ知識で、異世界の壊れた運命を書き換える~  作者: うずまき鳥


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

89/92

寄り道

 新勇者……いや、偽勇者モルテディオは、儀式のためあと3日王宮に籠もっているという。

 こいつは間違いなく、俺たちの敵だ。それも、かつてないくらい強大な敵として俺たちの前に立ち塞がってくるだろう。


 対抗するためには、強くならなければ!

 奴らに先んじて、残り二人のセイクリッドセブンを仲間にしよう。


 残る二人は、サラ=サンダーハート。通称・雷剣のサラと、エマ=ロックハート。通称・楯の乙女(シールドメイデン)エマだ。


 雷剣のサラは、雷属性の剣を振るう魔法剣士で、天空の町ボルテに住んでいる。

 東洋的な顔立ちの振袖忍者。つまり、派手な振袖を着た全然忍んでいない忍者だ。

 ミステリアス美女だが『ござる口調』というミスマッチが人気だ。


 楯の乙女(シールドメイデン)エマは、巨大な盾を持つ壁役のファイターで、鉱山都市グラニットを拠点としている。身長2メートルを超える筋肉美女で、性格も豪快。大食いで大酒飲みのワイルドな姐さんだ。


 この二人を仲間にしよう。

 でもその前に……

 三日間という猶予があるなら、飛空艇で寄り道ができる。


 昔のRPGは、こういう空飛ぶ乗り物を手に入れると一気に世界が広がったものだ。

 メインストーリーを進める前に、これまで行けなかった場所を飛び回ってアイテムなどを見つける……そのワクワク感が、たまらなく好きだった。

 でも、最近のゲームはマップが3Dになったせいか、こういう乗り物の楽しさが薄れている。


 せっかく飛空艇を手に入れても、「どこに行きたい?」とメニュー形式で聞かれたりする。

 そうじゃない。自分で操作したいのだ。


 ……おっと、つい語ってしまった。

 その点、このゲーム……というか、この世界はいい。

 バレット爺さんに頼んで、直接移動することもできるけど、自分で操縦して思い通りの場所に着陸することもできるのだ。


「二人に会う前に、まずは、この島に行こう」


「寄り道して大丈夫?」


 アネモネは俺の前回の失敗……アイテムを優先して飛空艇対決に負けたことを心配してくれているようだ。


「今回は、三日間の猶予があるからな。大丈夫だ」


 ◇


 最初に着陸したのは、ハートの形をした島だ。

 ここには隠し宝箱がある。


『女神のティアラ』といって、マルケーノフに先を越された『聖女のティアラ』の上位互換アクセサリーだ。

 今回は、誰に先を越されることなく手に入れることができた。


「エリザ、この『女神のティアラ』は、君が装備してくれ」


「ありがとうございます。でも……この『女神』って、どちらの女神様でしょうか?」


「もちろん、創造の女神セレスティアだ」


 それを聞いて、ほっと胸をなで下ろすエリザ。


「『さま』を付けなさいよ。デコ助」


 それを聞いて、謎のツッコミを入れるアネモネ。

 まぁ、この辺は個性の違いとして、アキラめるしかない。


 ◇


 次に着陸したのは、スペードの形をした島だ。

 ここで俺用の剣もゲットしておこう。

 デバッグで何周もしたマップだ。細かいところまで、ちゃんと覚えている。


 この島の隠し宝箱からは、『破邪の剣』が手に入った。

 これは実は、呪いの装備品だ。

 装備すると外せなくなり、マイナス効果がランダム発生してしまう。

 教会に行けば解呪できるのだが、お金を取られるし、解呪後は装備品自体が消えてしまう。


 俺は今のオブリ教が国教となった教会に頼るつもりもない。

 だから、この呪いの装備品をバグ技でキャンセルする。


 ごくごくごく……ぐぼっ……ごくり。


 俺はアイテムボックスから聖水を取り出し、腰に手を当てて一気に飲み干した。


「うわっ! ひ、ヒデオ……何やってるの?」


「ヒデオさん……聖水は飲むものではなく……ふりかけるものです」


 知ってる。

 でも、これは裏技なのだ。


「うん。でも、この状態で『破邪の剣』を装備すると、呪いを解いた状態で装備できるんだ」


「その剣、強いんですかにゃん?」


「あぁ。最強クラスの攻撃力だ」


 これさえあれば、魔王デオメットにもダメージを与えられるだろう。


「……かった?」


「『それで、その聖水はおいしかった?』……か。いや、死ぬほどまずかったぞ。実際、一回飲み込んでから、げふって戻して、それを慌てて飲み込んだからな」


「なるほど。一口ゲロというヤツだな。はっはっは」


 聖水は、飲むと死ぬほどまずい。

 ……実際に体験してみないと、わからないことはあるものだ。


 ◇


 その次に着陸したのは、クラブ(クローバー)の形をした島だった。

 この島の隠し宝箱で、『月晶銀のメイス』を手に入れる。


「ヒデオさん、こんな大きなメイス……誰も扱えませんが……」


「ああ。このメイスは、これから仲間にする楯の乙女(シールドメイデン)エマ用の武器だ、彼女なら、軽々と振り回してくれるはずだぞ」


「頼もしいですにゃん」


 さぁ、これでエマを迎え入れる準備も万端だ。


 ◇


 最後に着陸したのは、ダイヤの形をした島。

 ここの隠し宝箱に、死者復活アイテムである『奇跡の果実』が入っているはず……なのだ。


 しかし、このアイテム……機械都市ヴァルカニアの道具屋では売られていなかった。

 原作ゲームとは違い、リアルでは排除されているということは……やはり、この宝箱からも手に入らない? のだろうか……一縷の望みにかけて宝箱を開けたが……やはり、入っていたのはゴールドだった。


 ……やはり、ゲームとは違って、リアルでは死者復活ができないようだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ