互いの娯楽
それはいつの間にか机の上に置かれていた。
見覚えのないノートに、自分の字で一週間後の日付と、その日の出来事が書いてある。
次の日には更に一日分、その次の日にも一日分と内容が書き足されて、
薄気味悪く思い捨てたが、翌日には手元に戻っていた。
一週間後、覚えのある出来事が次々に起こり、気づけばノートを手に取り、
未来の七日間を覚えようと目を走らせていた。
それからは、受験も事前に内容がわかるし、人間関係の面倒なことも回避できる。
好きな人のこれからの行動もわかるので、付き合うことも容易にできた。
仕事も問題の解決策を事前に準備して対応すれば、自然と評価が上がり、生活も充実していった。
不満があるとするならば、彼がわがままで傲慢、自分勝手に行動していて、見ていて此方も恥ずかしくなることだ。
あるときノートが汚れていた。
まさかと思い、急いでページをめくる。
思わず溜息が漏れた。
彼は思ったより浅はかで、少し期待していた自分が愚かだったと思い知らされる。
頭を抱え、罵倒したくなるのを何とか抑え込み、落ち着きを取り戻しながら内容を確認する。
書いてあることは悲惨なものだった。
今後は彼にも慎みを覚えてもらう必要がある。
なにより楽しみにしていたものを先に取られて、感想を書かれては楽しみが半減するというもの。
まぁ、七日間ある。今から準備すれば間に合うか。
彼よりも、長く楽しめるように、こちらはもう一つも使えばいい。
感想が無い分、新鮮に楽しめそうだ。




