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~Earth ONLINE~聖職者爆誕  作者: 自己定義
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チュートリアル

扉をくぐり抜けた先に待っていたのは街の中央に位置される噴水広場だった。補足知識として初心者はリスポーン地点がここに指定される。


「時代もここまで来たか、動画や画像で見るよりずっと綺麗というか現実世界さながらだな」


肌に伝わる空気の流れや屋台の匂い、周囲に流れる音もゲームでは再現出来ないような事もできるようになってきている。


「色々と見て回りたいけど、早速フィールドに出てみるとするか」


兎にも角にも1度戦ってみたいと思っていたので籠手を叩いてマップを表示しながら街の外に出る。初心者向けの街外れにあるこの森の名称は『夜桜の森』である。


確か設定では、その昔この森は一定周期で夜に桜が咲き誇る事から、この名称が付けられるようになったんだとか。にわかには信じ難いがその現象を引き起こしていたのは元々この地に住んでいたと言われる古龍の影響によるものだったと伝えられている。


何らかの原因によって古龍が居なくなったことにより現在は見る影もない。詳細な理由も語られていない曖昧な伝説なので、信じる者も少ないのだが何かあると踏んで森を探索している人間も少なくないという。


「おー、あちこちに素材も落ちているし取り敢えず拾っておくか」


そこら中に生えている薬草や茸を大量にアイテムボックスに入れていく。調合スキルを覚えた時に使えるかもしれないし、何より街のクエストボードに貼ってある依頼の中に採取依頼もあるので、持っていて損は無い。


素材を取ったとしても無くなることは無いのでプレイヤー間での揉め事もないらしいのだ。ただ始まりの街周辺で取れる素材など誰もが持っている為、需要は無いだろうけどね。


「ん?」


素材を採取していると、レザーポーチにしまってある本から音が鳴り光出したので取り出して捲ってみる。


「えーっと、なになに?」


━━━━━━━━━━━━━━━

『啓示、夜桜の森にある大樹へ迎え』

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聖職者が持つ能力の内の一つ、それこそがこの『啓示』である。ゲーム内時間において1時間に1度ランダムで発動し、内容をクリアすれば報酬が貰えるんだとか。


「これかなり奥地に入らないと無理じゃねぇか、1度も戦闘こなしてないけど、とりあえず行ってみるか?」


そうして、森の中をどんどん進んでいくとようやく、ゴブリンやスライムが現れた。


「ようやく出てきたな、さぁ殺ろうぜ!」


「ギギィ!?」

「!?」


何故か知らないが拳を前に構えて、俺が殺る気を出したら、2体とも怯んだ。不思議に思っているとある事に気づいた。


「あー、そうだよな。普通武器構えて戦うもんな、悪い悪い…って言っても俺、武器という武器は…あ」


そう、俺には装備を外せない唯一無二の武器がある。外せない変わりにサイズ調整が効く。それはつまりどのくらい大きくしても良いということだ。この十字架のアクセサリーは剣くらい長く巨大化させることだって出来るのだ。


「持ちにくい」


持ってみて初めてわかった感想としてはこれに限る、柄の部分を小さくしても持ちにくいし振り回す時も刀身とのバランスが悪いので振り回しにくい。ただ鋭利性はあるので魔物相手には十分有効的だとは思うのだが、如何せんやりずらい。そう考えた俺は投げてみる事にした。


「おりゃあ!!」


ダーツの如く片手で狙いを定めて振りかざした。見事に打撃によるクリティカルヒットで、ブチッと嫌な音を立てて魔物は押し潰されて光の粒子となって消えていった。


緊張感もへったくれもない戦いに残念だなと思っているとその瞬間レベルアップの音声が聞こえてきた。


「今のでレベルアップか、呆気ないものだな。それにしたって序盤の敵にしては弱すぎやしないか?いやまぁ確かに強すぎてもユーザー離れが深刻化するから分かるんだけどな」


投げた十字架が刺さっているオブジェクトの木から引き抜き、サイズを元に戻して腰のレザーポーチにしまう。レベルが上がったことによって、ステータスに振るポイントが貰えるらしいのだがまだ確認していなかったので籠手を叩いて1度確認しておく。


━━━━━━━━━━━━━━━

Player name:レッド Lv.2

職業:聖職者

所持金:1005ポル


残りステータスポイント10


HP:30 MP:30

力 20 魔防19 防御1 敏捷15 知力30 魔力15


装備品

頭:なし

腕:なし

銅:古びた聖装

腰:旧レザーポーチ(教本&十字架)

足:なし


アクセサリー

・なし


スキル

・なし


紋章

・不明


称号

・なし

━━━━━━━━━━━━━━━


「つまり、レベルを1つ上げればポイントが10も貰えると言うわけだな。うーん取り敢えず知力に振っておくか」


悩んだ末、知力を上げることにした。生産系スキルを早く取得して物作りを始める場合でも必要になるだろうし、戦闘時に先程のような癖の効いた戦い方をするなら必要だろうと考えたからだ。


「さて、奥へ進むぞ」


その場から更に奥地へと進んで行く。その際当然ながら採取も行う。ただやはり、プレイヤーもちらほらそこら辺にいる為、敵と遭遇する確率は極めて低い。稀に不意を突いてくる敵もいたが、殴り倒した。武器が無いからと言ってダメージを与えられない訳では無いようだ。


「あのデカい木がそうらしいな…」


程なくして目的地に到着したのだが、特に何かがある訳ではなかった。啓示と呼ばれる程なのだから意味はあると思ったのだがな。


━━━━━━━━━━━━━━━

『啓示、夜桜の森にある大樹へ迎え』CLEAR


『成功報酬:初心者の剣を手に入れた』

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━━━━━━━━━━━━━━━


・初心者の剣…初心者が扱う剣。誰でも扱えるように開発されたが故に攻撃力は皆無(力+5)


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次々と流れるシステムメッセージを流し読みしつつ装備品を手に入れたことを、アイテムボックスを開き再度確認する。1番最初である、この啓示は職業が聖職者の場合、誰もが通る道のチュートリアル的なものなんだろう。報酬内容からして間違いないんだろうけど、確かなことは不明だ。


「見るべきものは見たし、試したい事も終わった。では1度街に戻るとするか」


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