第4節 問題ない
「 ——— ほう?息子が?はて?思い当たらんな 」
「 さようで まぁ 念の為 確認をさせていただいても?」
「 ……ギルベルト!ここへ 」
「 はい ここに 」
迷いのない よく澄んだ若い男の声が室内に響く
「 このお方が お前に用があるそうだ 」
「……私に何用で?」
「 …なるほど いや 父君に似た立派な丈夫ですな…ふむ やはり原簿のエラーのようですな 」
「 ほう?聖数原簿のエラーとは?
はじめての経験ですな? 」
「 …数刻前 不思議なことにギルベルト殿の生命の息吹が男ではない と 」
「っ!」「 ほう…それは随分な言いがかりですな?」
「 いやいや よくあることです…その右腕は戦で?」
「 先じ「先刻の戦で少々怪我をしたものでね 」っ!…… 」
「 なるほど なるほど…では怪我を負った際に 過剰に聖数原簿が反応したのでしょう 」
「 随分と杜撰なものですな 」
「人間と一緒で 完璧ではないのですよ……何事も 」
まだ止まない雨の中 近くで青鷺が鳴いている
「 父上!どういうことですか!」
「 狼狽えるな オレにもわからん……だが 予想はつく 」
「 …小・ギルベルトに 何かあったのですか?」
「 ……ふん やはり喉だけでは足りんのか 」
「!それはっどういう……?」
「 大・ギルベルト お前も知っているだろう?
生命の息吹は下腹部で創られるといわれている 」
「 それは まぁ…しかし生命の息吹が男ではない…?」
「 あぁ オレも初耳だ
どうやら生命の息吹は男女で違うらしい…
ならば 違いをわからなくすれば良いだけの話 」
「 ちっ父上…まさか… 」
「 案ずるな お前は何も変わらん 」
「 待ってください!いくらなんでも!
生命の息吹そのものに何かあったらっ!」
「あいつなら大丈夫だ オレの子だからな
喉の時も上手くいったんだ 加減はわかる」
「 っそんな…… 」
「 お前もいずれ ゲルマニア・ノドゥスを統べる者として 必要な判断を誤るな 情に流されるな 」
「 …… 」
屋根を突き破る堅い氷の音がした
「 チッまたか… 」
「 …問題 ありません すぐ 戻せます 」
16回目の乾し莽の月は酷く暑いのか寒いのか
今更ではございますが アリトメリア王国には
0の概念がございます
いかんせん 数字管理社会でございますので
したがって 年齢のカウント方法は
満年齢寄りでございます
双子の生まれは 夏の始め 5月頃でございますので
乾し莽の月 7月は16回目
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【次回更新】2026年10月上旬頃
第5節 心配ない
次回 第1章完結 5節少し長めで5,000字ほどでございます




