第8話(後編2)「王室の晩餐、声を刻む機械」
電灯の実演を見た3組の客夫婦は、すぐに動き出した。劇場、銀行、ホテルから正式な見積もりの依頼が入り、さらに噂を聞いた商人や貴族の屋敷からも問い合わせが続く。モロー電光工房は、まだ小さな作業棟にすぎない。だが、ロンドンの夜を変える光は、すでに王室の耳にも届き始めていた。後編2では、直樹が王室の晩餐会へ招かれ、電灯と蓄音機を披露する。直樹はその功績により「サー」の称号を受け、夜には同伴したメアリーと喜びを分かち合う。
翌日から、モロー邸の玄関には馬車が途切れなくなった。
劇場主ベルは、約束通り劇場の正面と婦人用控室の見積もりを求めてきた。銀行家エインズワースは、試験設置の条件を細かく書いた手紙を寄こした。ホテル経営者ホワイトモアからは、食堂と玄関広間の2案で見積もりを出してほしいと使いが来た。
それだけでは済まなかった。
クララ夫人、アメリア夫人、マーガレット夫人がそれぞれの付き合いで電灯の話をしたため、半日もしないうちに別の劇場、宝飾店、新聞社、貴族の屋敷からも問い合わせが入った。誰もが同じことを聞いた。火を使わずに本当に明るいのか。煤は出ないのか。客の前で使えるのか。晩餐会で話題になるのか。
エレノアは食堂の机を占領し、紙を分けて並べた。
「劇場、銀行、ホテル、個人邸、商店。用途ごとに分けます。見積もりを一つにしては駄目です」
直樹は頷いた。
「大口から順番に受けます。全部を一度にはできません」
「その方がよろしいです。先に受けすぎると、工房が潰れます」
メアリーは台所から顔を出した。
「工員も増えますね」
「増やします」
「では、食事も増やします。昨日の倍で足りるかどうか」
エレノアはすぐに紙へ目を落とした。
「食費は別に計算します」
「お願いします」
メアリーは素直に答えた。以前なら少し言い合いになったかもしれないが、今は役目がはっきりしている。エレノアは金を守る。メアリーは人の腹を守る。どちらも欠ければ工房は動かない。
ルイーザは応接室で手紙を読んでいた。
その中に、厚い封筒が一通あった。封蝋には王室に近い紋が押されている。ルイーザは一度だけ息を止め、直樹を呼んだ。
「モローさん。王室筋からです」
直樹は手を止めた。
ハリントンも呼ばれ、封筒を開いた。手紙には、王太子アルバート・エドワードの晩餐会へ出席し、電灯の実演を見せるよう求める言葉があった。さらに、可能ならば、イタリアで話題になった「声を記録する機械」も持参してほしいと書かれていた。
直樹は革鞄の方を見た。
カルロッタの声を刻んだ円筒が、まだそこにある。
ルイーザが静かに言った。
「電灯だけでも十分ですが、蓄音機を見せれば、ただの技術者では済まなくなります」
エレノアは慎重な顔をした。
「大きすぎる話になります。王室へ見せるなら、今後の契約も、周囲の目も変わります」
「変わるなら、早い方がいい」
直樹は答えた。
メアリーは少し離れたところで聞いていた。自分には王室の作法など分からない。食堂で皿を並べることならできる。工員に食事を出すこともできる。だが、王太子の晩餐会など、聞いただけで肩が固くなる。
そのメアリーに、直樹は目を向けた。
「メアリー、一緒に来てください」
メアリーは驚いた。
「私が、ですか」
「はい」
「ルイーザの方がよろしいのではありませんか。作法も、話し方も、私とは違います」
ルイーザは何も言わず、直樹を見た。
直樹は首を振った。
「今度は、あなたに来てほしい。あなたは最初にこの屋敷の火と鍵を預かりました。工房の職人や少年たちの食事も見ています。電灯を作るのは職人たちです。その職人たちを支えているのは、あなたです」
メアリーは言葉に詰まった。
エレノアは紙を閉じ、静かに頷いた。
「私も、それがよいと思います。王室の晩餐に出るには不安もありますが、モローさんの横に立つ理由はあります」
ルイーザも微笑んだ。
「私が支度を手伝います。王室の席で困らないように、最低限のことだけ覚えれば大丈夫です。全部を貴婦人のようにする必要はありません。メアリーはメアリーのまま、少しだけ整えればよいのです」
メアリーはしばらく黙っていた。
それから、直樹へ頭を下げた。
「分かりました。ご一緒いたします」
声は硬かったが、目には光があった。
◇ ◇ ◇
晩餐会の日、メアリーは深い藍色のドレスを着た。
ルイーザが選んだものだった。派手ではない。だが、布はよく、胸元も袖もきちんと整っている。髪はいつもの布ではなく、低い位置で上品にまとめられた。荒れた手には薄い手袋をはめている。それでも、彼女の手が台所を知っていることは隠しきれなかった。
メアリーは鏡の前で何度も息を吐いた。
「笑われないでしょうか」
「笑う者がいれば、その者の方が失礼です」
ルイーザが答えた。
「歩き方はゆっくり。話しかけられたら、先に相手の言葉を聞いてください。分からなければ、無理に飾った返事をしないこと。モローさんの隣に立つのですから、卑屈になる必要はありません」
エレノアは小さな紙を手渡した。
「人の名前です。覚えなくても構いません。聞いた時に見ればよいです」
メアリーはその紙を受け取った。
「2人とも、ありがとうございます」
ルイーザは少しだけ笑った。
「今夜はあなたの役目です。しっかりモローさんを支えてください」
「はい」
メアリーはそう答えた。
直樹は、黒い正装で玄関広間に立っていた。若いが、もう駅へ降り立ったばかりの異国人ではない。モロー電光工房の主人として、王室の晩餐会へ向かう男の顔になっている。
メアリーを見ると、直樹は静かに微笑んだ。
「よく似合っています」
メアリーは頬を赤くした。
「ありがとうございます。転ばないように気をつけます」
「私が支えます」
「今夜は、私が支える側です」
メアリーはそう言い、少しだけ背筋を伸ばした。
馬車は霧の中を進んだ。
王室の晩餐会が開かれた館は、モロー邸とは比べものにならないほど広かった。高い天井、金の縁取りのある鏡、厚い絨毯、赤い制服の従者、燭台の列。だが、部屋の奥には、直樹が用意した電灯の器具が運び込まれていた。まだ王室の部屋に正式に設置されたわけではない。今夜は実演である。
王太子アルバート・エドワードは、客たちに囲まれていた。
直樹が紹介されると、王太子は興味深そうに近づいた。
「あなたがモロー氏か。イタリアで光を灯した若い発明家だと聞いている」
「ナオキ・モローです。お招きいただき、光栄です」
直樹は深く礼をした。
メアリーも、ルイーザに教えられた通り、深すぎず浅すぎず頭を下げた。
王太子はメアリーにも目を向けた。
「夫人もご一緒か」
メアリーは一瞬だけ息を止めたが、すぐに答えた。
「はい。モローさんの屋敷と工房を支えております」
飾った言葉ではなかった。
王太子は少し笑った。
「それは大事な役目だ。発明家は機械だけでは生きられない」
「おっしゃる通りです」
メアリーはそう答えた。
直樹は横で、それを頼もしく見ていた。
晩餐の席では、最初は電灯の話が続いた。ガス灯より安全なのか。劇場で使えるのか。銀行で夜の事務に耐えるのか。発電機の音はどの程度か。直樹は一つずつ答えた。エレノアが用意した数字を頭に入れていたため、費用の話でも曖昧にしなかった。
食事が進むにつれ、王太子が言った。
「では、そろそろ見せてもらおう。ロンドンの夜を変える光とやらを」
直樹は立ち上がった。
従者が燭台の一部を下げ、部屋の明るさを落とした。人々の声が小さくなる。婦人たちの扇が止まり、紳士たちの視線が作業台へ集まった。
直樹は職人に合図した。
発電機が静かに回り始める。
次の瞬間、白い光が広間の一角に灯った。
客たちが息をのんだ。
炎ではない。ガラスの中の細い線が白く輝き、金の額縁、銀器、婦人たちの首飾りをはっきり照らした。燭台の揺れる光とは違う。部屋の中に、まっすぐな明るさが生まれた。
王太子は光へ近づいた。
「熱も少ない。煙もない。なるほど、これは話だけの品ではない」
婦人の1人が手袋を外し、光の下で宝石を見た。
「石の色が、昼間のように見えますわ」
別の紳士が低く言った。
「新聞社がこれを欲しがるはずだ」
直樹は深く頭を下げた。
「これは、明るくするだけの道具ではありません。夜に仕事をする者、劇場へ来る客、ホテルで食事をする客、銀行で書類を見る者、そのすべての時間を変えます。私は、この光をロンドンへ広げたいと考えております」
王太子は満足そうに頷いた。
「よろしい。だが、手紙にはもう一つの機械があると書かれていた。人の声を刻む機械だそうだな」
広間の空気が、さらに変わった。
直樹は従者に合図し、箱を運ばせた。
小さな蓄音機である。円筒は布に包んであった。直樹はそれを取り出す時、ほんの一瞬だけ手を止めた。
カルロッタの声。
ナポリで別れた女の声。
ここで出すのは、ただの実演ではなかった。過去に置いてきた声を、ロンドンの王室の広間で響かせることになる。
メアリーはその手の動きに気づいた。
だが、何も言わなかった。
直樹は円筒を蓄音機に取り付けた。
「これは、声を刻んだ円筒です。人が話し、歌った時の振動を記録し、あとからもう一度鳴らします」
王太子は身を乗り出した。
「声を閉じ込めるのか」
「閉じ込めるというより、刻みます」
直樹は装置を動かした。
最初に、かすかな雑音が流れた。
広間の者たちは眉をひそめた。だが次の瞬間、女の声が出た。
遠い。
少し震えている。
けれど、確かに人の声だった。
カルロッタの声が、王室の広間に響いた。
婦人たちは扇を止めた。紳士たちは椅子の背から身を離した。王太子も黙って聞いていた。そこにいるはずのない女の声が、機械の中から戻ってくる。歌のようでもあり、祈りのようでもあった。
メアリーは、初めてその声を聞いた。
胸の奥が少し痛んだ。直樹が別の町に置いてきた女の声なのだと、はっきり分かったからである。だが、不思議と腹は立たなかった。むしろ、直樹がその声を大事に革鞄へ入れていた理由が分かった。
人の声を失わない。
それは、電灯とは別の意味で、人の夜を変える機械だった。
声が終わると、広間にはしばらく沈黙が残った。
王太子が、ゆっくりと言った。
「光だけでも驚くべきものだ。だが、今の声は、それ以上かもしれない。人は遠く離れ、死に、忘れられる。だが、この機械は声を残す」
直樹は頭を下げた。
「まだ改良が必要です。音も荒く、長くは記録できません」
「それでも、これは始まりだ」
王太子は周囲を見た。
「モロー氏。あなたの電灯と、この声を刻む機械は、英国にとっても大きな意味を持つだろう。女王陛下にも報告する。正式な文書は後日となるが、今夜この場で、私の口から先に告げておきたい」
広間の者たちが静まった。
王太子は直樹の前に立った。
「女王陛下の御名において、あなたをナイトに叙する旨が伝えられる。以後、あなたはサー・ナオキ・モローと呼ばれることになる」
直樹は一瞬、言葉を失った。
メアリーも息をのんだ。
若い異国人としてロンドンに来た男が、王室の広間で、サーと呼ばれたのである。
直樹は深く頭を下げた。
「身に余る光栄です」
王太子は笑った。
「光を持ってきた男には、光栄も似合う」
広間に笑いが起きた。
だが、その笑いは軽いものではなかった。驚きと敬意が混じっていた。紳士たちが直樹へ近づき、婦人たちはメアリーへ声をかけた。王室の晩餐会は、ただの実演の場ではなくなった。サー・ナオキ・モローの名が、そこで生まれた。
メアリーは直樹の横に立ち、何度も頭を下げた。
胸が熱かった。
自分は、あのサザークの広場で縄を巻かれていた女だった。その自分が今、王室の広間で、サーと呼ばれた男のそばに立っている。夢のようだった。だが、夢ではない。足元の絨毯の感触も、手袋の中の汗も、隣にいる直樹の体温も、すべて本物だった。
◇ ◇ ◇
モロー邸へ戻った時、夜は深かった。
玄関広間では、エレノアとルイーザが待っていた。2人とも眠っていなかった。馬車の音が近づくと、すぐに立ち上がった。
直樹が玄関へ入る。
メアリーがその横にいる。
2人の顔を見ただけで、ルイーザは何かが起きたと分かった。
「どうでしたか」
直樹は少し笑った。
「サー・ナオキ・モローになりました」
エレノアは目を見開いた。
「本当に?」
「王太子から、女王陛下の名において伝えられました。正式な文書は後日ですが、今夜からそう呼ばれることになります」
ルイーザは扇を閉じることも忘れた。
「それは……もう、ただの工房主ではありません」
「明日から、さらに手紙が増えるでしょう」
エレノアはすぐに現実へ戻った。
「では、契約書の控えを増やします。見積もりも、王室へ出すものと民間へ出すものを分けます」
メアリーは思わず笑った。
「エレノア、今夜くらい喜んでもいいでしょう」
「喜んでいます。だから急ぐのです」
その言葉に、直樹もルイーザも笑った。
メアリーは直樹の方を見た。
王室の広間で、彼は電灯を灯し、蓄音機で女の声を響かせ、サーの称号を受けた。その姿を隣で見ていたせいか、メアリーの胸はまだ熱い。誇らしさと、少しの嫉妬と、強い欲が混じっていた。
直樹も同じだった。
王室で認められた高揚が、まだ体に残っている。サーと呼ばれた喜び。電灯と蓄音機が人々を黙らせた瞬間。カルロッタの声を聞いた時の胸の痛み。それらがすべて、目の前のメアリーへ向かっていく。
直樹はメアリーの手を取った。
「今夜は、あなたと過ごしたい」
メアリーは一瞬、息を止めた。
メアリーの番は、すでに一度あった。だが、今夜の直樹はあの夜とは違っていた。王室の広間で認められ、サーと呼ばれて戻ってきた若い男である。疲れているはずなのに、目の奥が熱い。
「はい」
メアリーは答えた。
ルイーザは静かに目を伏せた。昨夜は自分の番だった。まだ体の奥に余韻も残っている。けれど、今夜、王室の広間で直樹の横に立ったのはメアリーだった。そこは譲るしかなかった。
エレノアも何も言わなかった。嫉妬はある。だが、直樹がこの夜を誰と分かち合いたいのかは、2人とも分かっていた。
直樹はメアリーを連れて2階へ上がった。
寝室へ入ると、メアリーは手袋を外した。指先に赤い跡がついている。慣れない席で、ずっと力を入れていたのだ。
直樹はその手を取った。
「疲れたでしょう」
「疲れました。けれど、悪い疲れではありません」
「怖くありませんでしたか」
「怖かったです。でも、あなたの横に立っていたので、逃げたいとは思いませんでした」
直樹はメアリーを抱き寄せた。
メアリーはすぐに応じた。王室の広間では、作法を守り、言葉を選び、背筋を伸ばしていた。だが、ここは直樹の寝室である。彼女はもう遠慮しなかった。
直樹の口づけは深かった。
メアリーは受け止めた。受け止めきれないほどの熱が来ると分かっていても、退かなかった。むしろ、直樹の背を強くつかみ、自分からも求めた。
その夜の直樹は、昼間の発明家でも、王室で礼を尽くす若い紳士でもなかった。
サーの称号を受けた喜びを、体の奥に抱えた20歳の男だった。
メアリーは、その直樹を真正面から受けた。最初は笑っていた。次に息が乱れた。やがて言葉が途切れ、直樹の名だけを呼んだ。直樹は応え続けた。昨夜のルイーザへ向けた熱とは違う。今夜は、王室で隣に立ってくれたメアリーへ、その喜びを惜しみなく向けていた。
メアリーは30歳だった。
苦労はしてきたが、体はまだ十分に力を持っている。台所で鍋を持ち、階段を上り下りし、工員の食事を支えるだけの体力もある。だが、その夜の直樹は、それを上回った。メアリーは何度も直樹の肩へすがり、最後には笑う余裕もなくなった。
それでも、嫌ではなかった。
むしろ、これほど深く求められることが、自分をあの広場の女ではなく、直樹の女にしていくようだった。
夜が深くなり、暖炉の火が小さくなったころ、メアリーは直樹の腕の中で動けなくなっていた。
「大丈夫ですか」
直樹が聞くと、メアリーは目を閉じたまま、小さく笑った。
「大丈夫ではありません」
「すみません」
「謝らないでください。こういう大丈夫ではない夜は、嫌いではありません」
直樹は苦笑し、彼女の髪に口づけた。
メアリーはそのまま、片手を自分の下腹へ置いた。
根拠などなかった。
今すぐ分かるはずもない。
それでも、彼女の体の奥に、確かな熱が残っていた。前に結ばれた夜とも、ただの余韻とも違う。直樹の喜びと、自分の喜びが一つに沈み、そこから何かが始まったような感覚だった。
メアリーは目を開け、直樹を見た。
言おうとして、やめた。
今はまだ言葉にしない方がよい。言えば、夢のように軽くなってしまう。だが、彼女の中ではもう決まっていた。
今夜、自分の中に直樹の子が宿った。
そう感じた。
メアリーは直樹の胸へ頬を寄せた。
「サー・ナオキ」
小さく呼ぶと、直樹は照れたように笑った。
「まだ慣れません」
「私は、少し誇らしいです」
「私も、あなたが隣にいてくれてよかった」
メアリーは返事をしなかった。
ただ、直樹の胸に手を置き、目を閉じた。
ロンドンの夜は、まだ暗い。だが、モロー電光工房の光は、王室の広間にも届いた。声を刻む機械は、人々の耳に消えたはずの女の声を戻した。そしてその夜、モロー邸の寝室では、メアリーの中にも新しい命の予感が残った。
直樹は、ロンドンで光を得た。
名も得た。
そして、その未来は、工房の注文書だけでなく、ルイーザとメアリーの身体の奥にも、まだ言葉にならない形で宿り始めていた。
後編2では、電灯の実演成功をきっかけに注文が殺到し、直樹は王室の晩餐会へ招かれる。直樹はメアリーを同伴し、王太子の前で電灯を披露する。さらに、カルロッタの声を刻んだ蓄音機を初めて王室で鳴らし、人の声を記録して再び聞かせる技術を示す。その功績により、直樹は王太子から女王陛下の名において「サー・ナオキ・モロー」と呼ばれる栄誉を受ける。夜、王室で認められた喜びに高揚した直樹は、同伴して自分を支えたメアリーと再び深く結ばれる。メアリーもまた、その夜、自分の中に直樹の子が宿ったような予感を抱く。




