第12話――「杖の先、冷蔵庫の灯」
夕方、最上階の台所では夕食の支度が進んでいた。
リエン〈40〉は鍋の火を弱め、換気扇を回した。魚の出汁と生姜の匂いが立ち、冷房の風に押されてリビングの方へ流れていく。ミン・ハ〈24〉は食器棚の前で洗った皿を拭き、1枚ずつ重ねていた。
卓上に置いていた携帯が震えた。
画面には故郷からの着信が表示されている。ミン・ハは布巾で指を拭いてから電話に出た。
「お父さん?」
電話の向こうから、少し息を整える音が聞こえた。
「ミンか。いま大丈夫か」
「大丈夫。お母さんもいるよ」
「右の腕と脚は、まだ前のようには動かない。重い物は持てない。長く立つと痺れる。だが、杖で外を歩けるようになった。医者にも、座ってできる仕事なら始めていいと言われた」
ミン・ハは手にしていた布巾を握った。
「よかった」
父は続けた。
「前の工場では工場長をしていた。仕入れ、洗い、切り分け、乾燥、梱包、出荷までの流れは分かっている。温度の癖も、書類の扱いも覚えている。現場で箱を運ぶことはできない。だが、記録と確認、出荷の段取り、新人に手順を守らせることならできる。もし会長の工場で働けるなら、働きたい。お前の負担も軽くなる」
事故のあと、父が仕事の話をこれほど長くしたのは久しぶりだった。身体の状態を隠さず、自分にできる仕事だけを挙げていた。
「尚人さんに話してみる。無理なら無理って言うけど、まず聞いてみる」
「頼む。失礼のないように話す。もう一度、ちゃんと働きたい」
通話が終わると、ミン・ハは携帯を持ったまま台所に立っていた。
リエンが鍋の蓋をずらし、娘を見た。
「お父さん?」
「杖で歩けるまで戻ったって。重い物は無理だけど、座ってなら働けるって。尚人さんの工場で働きたいって言ってた」
リエンは濡れた手を布巾で拭いた。
「会長さんに頼もう。あなたがずっと送ってきた。仕事をもらえるなら、働くべきよ」
「お母さんは心配じゃないの」
リエンはすぐには答えず、鍋の中を確かめた。
「心配はあるよ。でも、家で座っているだけでは、あの人も駄目になる。働く場所があるなら、まず働かせる。それから考えるしかない」
ミン・ハはそれ以上聞かなかった。
父が再び働けることはうれしい。しかし、母が手放しで喜んでいない理由も分かっていた。
その夜、尚人〈62〉が食卓へ来ると、リエンは料理を並べ終えてから話を切り出した。
「尚人さん、お願いがあります。私の夫が、働きたいと言っています。事故の後、右半身に麻痺が残りましたが、最近リハビリで杖歩行まで戻りました。重い物は持てません。長く立つのも無理です。でも、果物加工の工場長をしていたので、流れと管理は分かります」
ミン・ハも続けた。
「現場作業はできません。記録とか、出荷の段取りとか、新人の手順の確認とか。できる範囲で働きたいと言っています」
尚人は箸を置いた。
「働けるなら働いた方がいい。条件ははっきりさせる。重い箱は持たせない。長時間立たせない。座ってできる管理の仕事にする。現場の手は現場の者が動かす。だが、手順と記録を握る人間は必要だ」
リエンは尚人を見た。
「ありがとうございます」
尚人はミン・ハへ向き直った。
「明日、本人と話す。工場の中も見せる。できることと、できないことを本人の口で確かめる。そのうえで、管理担当として入ってもらう。ミン・ハ、お前の送金も少し楽になるだろう」
ミン・ハはうなずいた。
「はい」
「ただし、家族だから甘くはしない。できる仕事は任せる。できない仕事はさせない。そこを間違えると、本人にも周りにも悪い」
「分かりました」
食後、ミン・ハは父へ短いメッセージを送った。
会って話すことになった。
それだけを伝えた。
父が働けるかもしれないことは素直にうれしかった。それでも、ミン・ハとリエンの表情から不安がすべて消えることはなかった。
◇ ◇ ◇
翌朝、玄関のインターホンが鳴った。
モニターには、帽子を手にした男が映っていた。
ミン・ハが扉を開けると、父のハイ〈44〉が立っていた。左手に杖を持ち、右肩がわずかに下がっている。歩幅も小さいが、自分の足元を確かめながら立っていた。
ハイは帽子を取り、尚人へ頭を下げた。
「グエン・ヴァン・ハイと申します。本日はお時間を頂き、ありがとうございます」
尚人は玄関まで出た。
「尚人だ。中へ。座って話そう」
リビングへ移ると、ハイは椅子へ腰を下ろし、杖を膝の横へ立てた。水のグラスを取る動作には多少時間がかかったが、慌てる様子はない。
尚人は身体の状態から確認した。
「重い物は持てない。長く立つと痺れる。右手の細かい作業は遅い。ここまでは聞いた」
「はい。事実です。ですから、現場作業はできません。けれど、座ってなら記録と確認ができます。手順を見て、止めることもできます。私にできる範囲で働かせてください」
「前はどんな仕事をしていた」
ハイは尚人を見て答えた。
「果物加工の工場で工場長でした。仕入れ、洗浄、切り分け、乾燥、梱包、出荷までの段取りを見ていました。温度、乾燥時間、ロット、出荷先の控えも扱っていました。事故のあと戻れず、雇い止めになりました。娘が送金し、妻も働いています。私は家で座っているだけでした。回復して杖で歩けるようになり、医者からも座ってできる仕事なら始めていいと言われました。会長の工場で、私に役目があるなら、雇って頂きたいです」
尚人は最後まで聞いた。
現場で身体を使えないことを隠してはいない。過去の仕事についても、工場のどこを管理していたのか具体的に話している。
「工場を見よう。見てから決める」
尚人は立ち上がった。
◇ ◇ ◇
加工場へ着くと、換気扇の音と冷凍設備の低い運転音が聞こえてきた。
室内にはマンゴーの甘い匂いが残り、洗い場の近くには消毒液の匂いもある。冷凍庫の表示灯は点灯し、扉の周囲には冷気でわずかに曇った部分があった。
尚人はハイを急がせず、中へ案内した。
「ここだ。あなたは荷に触らない。立ちっぱなしにもさせない。管理をやってもらう。できるか」
ハイはまず温度表示を見た。
「会長、よろしければ1つだけ。温度計が入口に近いです。人の出入りで数字が揺れます。庫内にも1つ置くと、判断がぶれません」
「それは今日中にやる」
ハイは次に事務机へ向かった。
椅子へ腰を下ろし、置かれていた記録用紙を手に取る。紙の端には湿気を吸った跡があった。
「記録が湿る場所に置かれています。数字が滲むと追えません。乾いた棚を決めて、そこだけに置きたいです。私が管理します」
「任せる」
少し離れた作業台では、袋へ入れたピューレを熱で封していた。
ハイはしばらく作業を見てから尚人へ顔を向けた。
尚人がうなずくと、ハイは作業している者へ声をかけた。
「失礼します。封をしたあと、端を指で一度だけ触って確認してください。空気が入ると、あとで全部が無駄になります」
作業の手が止まった。
尚人は言った。
「今のは聞け。確認してから次へ行け」
さらにハイは、袋に貼られたラベルを何枚か見比べた。
日付や品目を書く位置が一定せず、数字の並び方も揃っていない。
「ロットの書き方が乱れています。問い合わせが来たときに追えません。加工日、品目、原料を入れた日、担当の印。この順番にそろえたいです」
「それもやれ」
ハイは工場内を一通り見ると、事務机の椅子へ戻った。右脚を少し前へ伸ばし、座る位置を直す。
尚人にも、長時間立つのは難しいことが分かった。
それでも、工場へ入ってからハイが指摘した内容は、どれも管理の仕事として使えるものだった。
「雇う。肩書きは管理担当だ。現場の手は現場が動かす。あなたは止める。記録を残す。出荷の判断をまとめる。条件は厳守だ。重い物は触らない。立ちっぱなしはしない」
ハイは頭を下げた。
「ありがとうございます。会長の工場で恥をかかせることはしません。身体の条件も守ります。できることを増やし、結果で返します。娘と妻の負担を減らしたいです」
「今日から来い。座れる机を用意する。記録棚を決めろ。形式を統一しろ。困ったら連絡しろ。ただし、毎回呼ぶな。自分で止めて、自分で直せ」
「はい。まず、記録と温度の管理から整えます」
ミン・ハは、父が机に向かう姿を見ていた。
リエンもそばにいたが、夫が仕事へ戻れたことを喜びながらも、表情にはまだ硬さが残っていた。
工場の仕事だけを見れば、ハイには任せられるものがある。それはリエンにも分かっていた。
◇ ◇ ◇
その夜、尚人はハイの歓迎会を開いた。
前回、タインとマイを迎えた時と同じように、加工場に関わる者全員を呼んだ。
店の入口には海老や魚の入った水槽があり、客が出入りするたびに、焼いた肉や蒸した魚、にんにく、唐辛子の匂いが外まで流れていた。
個室には丸卓が用意されている。
集まったのは、ミン・ハ、リエン、ハイ、アン、フイ、ミーリン、ミン、タイン、マイである。
ハイは杖を椅子の横へ置き、リエンの隣へ座っていた。
昼間の加工場では仕事の話に集中していたが、今は料理や酒の瓶が並ぶ卓を前にしている。ハイは何度か周囲へ目を向けたが、リエンは何も言わなかった。
全員がそろったところで、尚人が口を開いた。
「今日は、ハイの入社歓迎会だ。ハイは現場で重い箱を持つために来たわけではない。温度、記録、出荷、手順を見るために入る。工場には、手を動かす人間も必要だが、止める人間も必要だ。間違いを見つけて止める。数字を残す。出荷の前に確認する。そこを任せる」
ハイは座ったまま頭を下げた。
「ありがとうございます。精いっぱい働きます」
尚人は全員を見回した。
「今日から、作業する者とは別に、工場全体を見て止める人間が入る。温度がおかしい、記録が足りない、この状態では出荷できない。そういう時に誰かが止めなければ、全員が真面目に働いていても商品は駄目になる。ハイには、その役を任せる」
アンやフイは昼間の仕事を思い出したようにハイを見た。タインとマイも、ラベルや袋の封を直されたばかりである。
「分からないことがあれば聞け。ハイも、気づいたことは遠慮せず言え。ただし、自分で箱を持って動こうとするな。身体を壊してまた働けなくなったら、雇った意味がない」
「はい」
ハイは答えた。
尚人は続けた。
「それから、これまで家族に支えてもらった分は、仕事で返せ。ミン・ハとリエンに頼りきりになるな。管理担当として工場の役に立て」
ハイは頭を下げた。
「はい。必ず返します」
リエンは夫の返事を黙って聞いていた。
尚人は話をそこで切った。
「挨拶は終わりだ。食べよう」
店員が料理を運び始めた。
青いパパイヤの和え物、海老の塩焼き、白身魚の蒸し物、牛肉の香草巻き、空芯菜炒め、鶏のレモングラス焼きが卓へ並んだ。中央には海鮮鍋が置かれ、蓋を取るとレモングラスと生姜を含んだ湯気が上がった。
フイが卓を見回した。
「またすごい量ですね」
尚人は料理を見てから店員を呼んだ。
「肉料理をもう1皿。あと、海老も追加してくれ。今日は遠慮しないで食べる日だ」
アンが笑った。
「会長さん、毎回本当に大盤振る舞いですね」
「今日はハイが仕事へ戻った祝いだ。こういう日にまで細かく勘定するつもりはない」
ハイは恐縮したように尚人を見た。
「会長、私1人のために、ここまでしていただくのは」
「1人のためではない。これから一緒に働く者がそろっている。顔を合わせて食べておけば、明日から話もしやすい。それで十分だ」
ハイは頭を下げた。
「ありがとうございます」
酒を飲む者にはビールを少量、飲まない者には冷たい茶を出した。
尚人も茶のグラスを持った。
「ハイ、入社おめでとう。これから頼む」
「よろしくお願いします」
全員がグラスを上げた。
食事が始まると、話題は自然に加工場のことへ移った。
ミンが冷凍設備について尋ね、アンは箱を運ぶ位置について相談した。タインとマイは、今日ハイが直した記録の書き方について聞いている。
ハイは箸を置き、1つずつ答えた。
庫内の温度が変わる原因、記録用紙を残す理由、袋の封が不十分だった場合の処理、ロット番号を統一する意味。昼間に見せたのと同じように、経験に基づいて説明している。
「同じマンゴーでも、入ってきた日が違えば一緒にしてはいけない。あとで問題が出た時に、どの原料を使ったのか追えなくなるからな」
タインが尋ねた。
「袋に書く番号を見れば分かるようにするんですか」
「そうだ。番号と記録を合わせれば、いつ入った果物で、誰が作業したかまで分かるようにする。全部覚える必要はない。紙に残して、あとから確かめられるようにするんだ」
マイも聞いた。
「冷凍庫へ入れる時間も書きますか」
「最初は書いておいた方がいい。作業が安定してきたら、必要な記録だけに絞ればいい。何でも書けばいいというものでもない」
尚人は食事をしながら聞いていた。
管理担当として採用した判断に間違いはなさそうだった。
料理が半分ほど進んだところで、尚人は用意していた紙袋を出した。
「ハイにも、仕事で使うものを用意した」
ハイが顔を上げた。
「私にもですか」
「当然だ。腰を支えるクッション、温度記録用の帳面、書きやすいペン、机に置く小型の時計、それから薄い上着を用意した。椅子は工場へ直接入れる。冷えた場所で長くいるなら、身体を守れ」
ハイは紙袋を受け取り、中を確かめた。
「ありがとうございます。大切に使います」
尚人はさらに封筒を渡した。
「これは入社祝いだ。給料とは別だ。家へ持って帰れ。家族で必要なものに使うといい」
ハイは封筒を両手で受け取った。
「ありがとうございます。家に入れます」
その言葉を聞き、ミン・ハの表情が少し和らいだ。
リエンも夫を見たが、何も言わなかった。
◇ ◇ ◇
海鮮鍋に麺を入れたころ、ハイの携帯が震えた。
ハイは画面を見た。
一度は携帯を伏せたが、少ししてもう一度震えた。
「少し外へ出る」
リエンが顔を上げた。
「今?」
「前の工場の知り合いだ。すぐ戻る」
ハイは杖を取り、個室を出た。
尚人は引き止めなかった。私用の電話まで雇い主が問いただす必要はない。
店の外へ出ると、湿った夜気と通りの騒音がハイを包んだ。
バイクが途切れず走り、店先の水槽には白い照明が反射している。ハイは人通りを避け、看板の脇に立った。
携帯を耳へ当てる。
「後半だけでいい。2点差ならまだ返る。いや、次の試合も少し入れる。金は明日持っていく。大きくは張らない。今日は少しだけだ」
相手の声はこちらまでは聞こえない。
ハイは杖へ体重を預けながら続けた。
「分かっている。前みたいにはしない。少しだけだ。勝ったら戻せる」
通話を終えると、ハイは携帯の画面を見たまま立っていた。
やがて胸元へ手をやった。
そこには、先ほど尚人から受け取った封筒が入っている。
ハイは封筒を取り出さなかった。それでも、胸元から手を離すまでには少し時間がかかった。
個室からは、料理を取り分ける声や笑い声が聞こえてくる。
ハイは額の汗を拭き、何事もなかったように店へ戻った。
タインがマイの器へ麺を入れ、アンとフイは追加された肉を分けていた。尚人はミンと温度記録について話している。
リエンは夫が戻ってきたのを見た。
「遅くなった」
ハイは杖を置いて座った。
ミン・ハが尋ねた。
「仕事の話だったの?」
「ああ。前の工場の者だ。たいした話じゃない」
ミン・ハはそれ以上聞かなかった。
リエンも夫を見たが、何も言わず箸を動かした。
食事はそのまま続いた。
ハイは鍋を食べながら、ミンには温度記録の取り方を説明し、タインとマイには袋へ書く番号と原料の記録をどう合わせるかを教えた。
仕事について話している間のハイは落ち着いていた。
誰も、店の外で交わされた電話の内容を知らなかった。
◇ ◇ ◇
歓迎会が終わるころには、外はすっかり暗くなっていた。
店の前には客待ちのタクシーが並び、車道ではバイクの音が途切れない。店員が持ち帰り用の菓子や果物を袋に詰めて運んできた。
尚人は帰る方向ごとに車を手配した。
ハイは杖をつき、尚人の前へ来た。
「会長。今日はありがとうございました。ここまでしていただいて、感謝しています」
「仕事で返してくれ」
「はい」
「ハイ、明日から記録棚を決めて、今日話した形で始めろ。身体に無理はするな。仕事は仕事として、きちんとやれ」
「はい。必ず」
リエンは夫の隣で聞いていた。
夫が再び仕事を持てたことはうれしい。家計の負担も減る。ミン・ハが毎月送っている金も、今までより少なくできるかもしれない。
そうなってほしいとリエンは思っていた。
ミン・ハも父に言った。
「お父さん、明日から無理しないでね」
「ああ。大丈夫だ」
ハイは娘へ答えた。
タインとマイ、アン、フイ、ミーリン、ミンを乗せた車が順に出ていった。
尚人は最後まで見送り、ミン・ハとリエンと一緒に最上階へ戻った。
エレベーターの中には、服についた鍋と焼き肉の匂いが残っていた。
部屋へ入ると、ミン・ハは尚人に茶を出した。
「今日はありがとうございました。お父さん、喜んでいました」
「それならよかった」
リエンも尚人へ頭を下げた。
「会長さん、本当にありがとうございます。あの人、仕事の話になると昔の顔に戻ります。今日、工場を見ている時も、少し安心しました」
「管理担当としては役に立つ。そこは見えた」
「はい」
リエンは返事をしたあと、何かを言おうとして口を閉じた。
ミン・ハも母を見たが、何も言わなかった。
尚人は2人の様子には気づいたが、理由を尋ねなかった。
「今夜は休め。明日から、ハイには記録と温度を見てもらう」
リエンはうなずいた。
「はい」
「身体の条件は守らせる。重い物は持たせない。立ちっぱなしにもしない。仕事はできる範囲でしてもらう」
「ありがとうございます」
ミン・ハは言った。
「父が働けたら、私も助かります」
「そうなるようにする」
その夜は、それ以上ハイの話をしなかった。
尚人はまだ、ハイが店の外で誰に電話をかけ、何の話をしていたのか知らない。
工場へ入ったハイは、温度や記録の乱れをすぐに見つけた。管理担当として役に立つことは、初日だけでも分かる。
だが、家族がハイについて抱えている不安は、仕事の能力とは別のところにあった。
翌日から、ハイは加工場の机に座り、温度と記録を見ることになる。
そして尚人から受け取った封筒について、ハイは家族へ話した使い道とは別のことも考え始めていた。




