時計とミミズ
「この世界とリンクした……暗黒の世界さ」
ミオンは厨二的な発言をした後、歩く音を響かせた。僕らが瞬きをした時、もう外からの光は差し込まなくなった。
「やられたぞね……」
「俺めっさ暇やん」
ミオンは終身刑と言っていた。僕らが死ぬまでここに閉じ込める?
ここの空間は、考えるのには最適な環境だった。少し湿った床に、20度位の快適な温度。正直ここに来れたのは良かったかもしれない。脱出は出来なさそうだが。
とにかく情報を整理しよう。
僕はミオンの試練に負け、謎の空間に閉じ込められた。そして、何故か吉田までここにいる。あとは……ミオンにも仲間がいること。しかもそれは多分部下ではない。同僚以上の……力を持つ者。僕らには敵わない者が、まだいるのか。出会わないうちに早く出たいなこれは。
次は……ここから出ることかな。
「よっ……この床思ったより硬いのな」
吉田は真っ黒な床をむしり取って、それをずっと眺めて、時々僕に話しかけてくる。暇なのだろうか。それとも
「暇つぶし……する?」
そう言うと、吉田はかばんの中のものをどんどん取り出し、地面にカーペットを敷いた後にそっと物を全て置いた。
拳銃、ナイフ、よくわからない棒、やわらかい板、複数の蜜柑、フナのような魚、塩など、いろいろ変なものが入っていた。
「これは?」
「時計だね」
これ……銃で撃たれた跡が残ってる……。
「これは……処分だな」
吉田は小さな葉っぱが中に描かれたビー玉を持ち、何処かへ投げ捨てた。
「これは?」
「悪魔を封印するブロックだね」
「何言ってんぞ」
悪魔を封印するブロック……?そういう奴だったけか。吉田。それとも、あの二匹の龍を呼び出したあの大きい胡麻みたいな物と同じもの……?封印を解放して、戦力にでもしようとしているのだろうか。
「大昔……大昔なんだけどね、こんなブロックを無限に作ってる人がいたらしいのさ」
吉田はブロックに映るツヤを眺め、謎の語りが始まる。まあ、暇だったし全部聞くか。
「まぁ特に何もないブロックだったんだけどね。それを見た集落の者が、魔法と言ったんだ。そのブロックを模した物……か、本物か。俺にもわからないんだけどね。それはもしかしたら、機能力らしき力なんじゃないか。とか思うのさ」
確かに、ブロックを創り出すなんて機能力無しの世界では不可能だ。でも、ブロックだけを創る機能力なんて……あるわけない。
ミオンは「現象」を能力にしてた。ミオンではない誰か。機能力や現象能力を超える能力が、あるのかもしれない。きっと、それが
「多分、ミオンの仲間ぞ」
「まあ、薄々分かってたんだけどね。どんどん追い詰められてるよ」
薄暗い空間で、僕らの笑い声だけが、悲しく、大きく響いている。
さて。飽きてきたし、出るとするか。
「ここの世界は外の世界とリンクしている。つまり出口は街の……」
「そうか!」
またあの場所に行かなければならないのは少し憂鬱だが、ここにいるほうがもっと嫌だったりする。僕は何もしないのは大嫌いだ。
2時間ほど歩いただろうか。やっと、空が見え始めた。真っ黒い部屋に、空の壁が貼られているような感じがして、かなり不自然だった。
僕は1度体験したのですぐ飛び込めたが、吉田は苦笑いをして、少し飛ぶのを拒んでいる。
「死なないんだし飛べば?」
「そうと言われてもさ」
そういえば、ここの中と外って、会話出来たのか。
吉田は変な声を上げながらこちらへとやってきた。見上げた時、海の中に僕らはいた。
「何歩か歩けば変わるから、心配しないこと……とかいっても、もう外に出るんだけどね」
ここから外に出れば、多分表の世界に戻っている。信じて、行こうか
飛び込んだ先は、大都会の中……成功したか。
ここの奥に何があるのだろう。と少し気になったが、今は外に出ることが一番大事だ。壁の外なんて二の次。
「なんぞこれ」
足元に、黒い縁で中型の丸い時計があった。掛けるタイプのやつだが……なんでこんな所にあるんだろうか。
「ん?」
掛け時計が何故か発光し、半身しかないミミズのような生き物が出てきた。
「離れろ!急げ!今のうちに投げろ!」
吉田が叫んだ瞬間、ミミズは段々と大きくなり、太いよくわからない生物になった。大きさは3メートルほどあり、太さは2メートルほどある。なんなんだこいつ……
「罠にかかったか」
そんな声が近くで聞こえた。
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