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勘違いの恋〜数年ぶりに会ったら、ずっと溺愛されてました〜  作者: 漆原 凜


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4/5

龍×雪

「大丈夫?!」


駅の階段から落ちかけた私は怪我を覚悟した時、グッと手を引かれ階段に留まる事が出来た。怖かった…。ありがとうございます!と助けてくれた人にお礼をする。


「無事で良かった。怪我無い?」


「はい!ありがとうございます!本当に助かりました!」


階段の真ん中だと行き交う人の邪魔になるので端に移動し感謝を告げる。お礼をしたいと言ったのだけど丁重にお断りをされ、じゃ行くね!気をつけてねって走り去っていった。


「格好良い…」


サラサラの髪に透明感のある肌、くっきり2重で爽やかな笑顔をしていた。隣町の学校の制服。友達に聞いたら誰か知ってるかな。


次の日学校で聞くとすぐに判明した。佐倉龍と言う名前で爽やか王子様として有名らしい。彼女は居ないとの事。


「雪まさか…惚れた?」


頷くと友達の瑠璃に、ダメだよー!無理無理!龍君は誰も手を出さない様に不可侵協定結ばれてる王子様だよ?近づこうとするだけで何されるかわからないから!って説得された。


声をかける事は出来なくて、龍君に彼女が出来たらしいと瑠璃から聞いて…ずっと見続けた初恋は幕を閉じた。卒業と共に地元を離れた私は未練を断ち切り次へと進む事にした。


大学卒業後そのまま就職をし、たまに地元の友達と遊びながらのんびり暮らしていた。ある金曜日の夜、瑠璃に誘われて行ったご飯会に何故か龍君が居る。10人くらい集まっていて見たことある顔が何人かいる。実は龍君と瑠璃は取引先で出会ったらしく、地元話が盛り上がり集まろうとなったと。瑠璃がニヤニヤしている。気持ち悪い。


「佐倉龍です。雪ちゃんだよね?よろしく。」


席に着いた途端隣に移動してきた龍君は、何故か私の名前知ってる。瑠璃から聞いたのかな?


「覚えてないかも知れないけど、昔駅の階段で助けた事があって、その後見かけるたびに心配になって見てたら友達が名前教えてくれて。密かに雪ちゃんって呼んでたんだ。」


「覚えてます!忘れる訳ないです!」


そっかと微笑んでいる。爽やかさは健在だ。えー知ってくれてた上に見守ってくれてたなんて…もう我が人生悔い無し。


「きちんとお礼もしたかったのですが、声をかける事が出来なくてすいませんでした。」


「じゃ今度ご飯一緒に行って欲しいな。」


「いくらでも奢ります!」


アハハ奢らなくていいよ。むしろ奢るし。一緒に行ってくれるのがお礼だから大丈夫!と言われる。一緒に行くだけでお礼なるの?


「あの時お礼を断った事を凄く後悔したんだよね。早速だけど雪ちゃんの連絡先教えてよ。ご飯行く日決めたいからさ。」


「…龍君。雪にだけ話かけ過ぎじゃない?協力するとは言ったけど他の人とも交流してよね?」


「あ、そうだよね!佐倉君他の人と喋ってきて!私独り占めしてたよね。ゴメン。」


「龍でいいよ。俺も勝手に雪ちゃんって呼んるし。」


龍君?と聞くと嬉しそうに大きく頷いている。他の人と喋りに行くのかなって思ったのだけど、ニコニコと隣に座ったままだ。行かなくていいの?と聞いたら、まだ雪ちゃんと喋りたいからって。


「あ、連絡先だったね。私のコレだよ。」


何となく耐えれなくてさっきの続きを思い出したので、携帯を取り出し龍君に連絡先を教える。絶対誘うから!って力強く言われる。


「彼女さんは大丈夫なの?」


彼女居ないから大丈夫だよ。雪ちゃんがなってくれる?って。今日ご褒美タイム多くない?明日私死ぬの?


じゃ私がって瑠璃が手を上げる。龍君は冷めた目で見て冗談やめてよって。瑠璃の隣にいた人も、じゃ俺がって手を上げた瞬間龍君に叩かれていた。


「雪ちゃんは言ってくれないの?」


え?私?した方がいいの?手を上げようとしたら雪はダメーって瑠璃に止められた。邪魔しないでくれるかな?って龍君が瑠璃に言っている。必死すぎて気持ち悪いって瑠璃が返すと、必死にもなるよと落ち込んでいる。


解散する時間になり外に出ると、送って行くよって龍君に声をかけられる。断ったけど聞いてくれなかった。ほら帰ろう!家どこ?って手を握られる。場所を説明するとそのまま歩き出したのでついて行く。何故手を繋いでいるのだろうか。


「雪は何が好き?今度何食べに行きたい?予約するよ。」


「何でも好きだよ。嫌いな物無いし龍君の食べたい物で。」


えぇ悩んじゃうなって笑っている。じゃ、イタリアンかなて言うと、いつ空いてる?って。夜は大体暇してるし昼間なら週末休みだよって言うと、じゃ明日!って。笑ってしまう。明日ねって言うと嬉しそうに龍君は予約しちゃうねと、手は繋いだまま片手で携帯を操作し予約している。手を離そうとしたらダメって。


「危ないでしょ。繋いでたらいつでも守ってあげられるから。」


「もう落ちたりしないよ?」


携帯を片付けた龍君を見つめながら、少し拗ねて言う。まるで子供扱いだ。ほっぺを優しく突かれ守らせてって。んーーー何か龍君が甘い気がする。気のせいかな?家に近付いたのでもうあそこだから大丈夫だよって言うと、少し寂しそう。


「送ってくれたお礼にお茶でも飲む?」


「お礼は断りたくないけど、無防備に誘うと食べられちゃうよ?気をつけて。」


耳元で囁かれ擽ったくて耳を押さえる。絶対真っ赤になっている。龍君意外と距離感近いな。満足そうな顔をしている龍君はまた明日って、時間とかは後で連絡するねって今来た道を戻っていった。


『会えて嬉しかった。明日は10時に家に迎えに行くね。楽しみにしてる。』


携帯に届いたメッセージに返信して、明日のために早く寝ようとするけど目が冴えちゃう。龍君あの頃想像してたより、ずっと優しくてよく笑う人で昔の気持ちが蘇る。


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