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第五十三エピソード:喪失:

ゼン・アークに寄生し世界を飲み込んだ

獅子心蟲の女王を倒し世界を解放したが

ゼン・アークは助かられず死んでしまう

魔族領は深い悲しみに包まれたが誰も俺達を

責めなかった本当にこれで良かったのか?

何か方法は無かったのか?ゼン・アークが生きた

意味は何だったんだろうか?俺にはまだ分からない


無事火葬が進み、俺達は次の目的地に行く為に

話し合って決める事が幾つか有る場の空気が重く

上手く言葉が出てこない何故死ぬ可能性を

一切考え無かったのかどんな超人でも当然な程

傷を負っていた俺達…いや…俺が殺したのだ

あの化け物を体内から出す方法を考えてれば

死なす事は無かったかもしれないそれでも

俺達は次に進む必要が有る一人の死を悲しめない


ブルーが扉を開き入って来る少し気まずそうだ


「みなさん一応話しを集めて来ました

神の住まう場所が決まっておりそれを我々で

倒す事になっており十分活躍期待してください」


確か今現れてる魔物達を倒して民に伝えて

それから情報収集してもう神を倒しに行くのか

正直な話俺はもう少しここに居たい何か変わる

訳でも無いが葬儀の疲れが抜け切って無い

このまま突入しても上手く行く気がしない


「ひとまず武器の修理と飯にでもしようぜ?

ちょっと疲れたしぶっ壊れたらって不安だ

修理に出してちょっとだけ街を見て回ろう、

いや、本当、なるべく迷惑かけないからさ?」


皆が少し心配そうな顔をするそんなに辛そうかな?

あまり顔に出さないようにしないと、みんなには

気にさせたく無いし、多分少し時間がいるだけだ


城を出て城下町を見下ろすと澱んだ空気は

もう無い、本当にこの街を救ったんだ、それだけで

少し気分が晴れる城下町は活気を取り戻し、

騒がしいぐらいだ、街に降りて行くと

街の店が少しだけ変わっている、見かけない

装飾品から何処かの木の実まで様々色鮮やかだ

俺達はやっと武器工房を見つけて預け街を探索

して屋台でちょっとした串焼きや果実水など

気になった場所によって城下町を堪能する

ここは良い街だな父さん頑張ったんだよな?



深呼吸をして街の空気を吸い込み悩みを振り払い

自分の手を見て微笑む、次は全部守れば良い

次がいつか分からないが、俺は進むしかないんだ

受け取った命を繋いでいかないといけないんだ


「そろそろ宿に行って今日の相談をしよう

日も落ちて来たし晩飯がつく所だと有難い

ブルー探せるかな?急に悪いな、忘れてたんだ」


少しそこら辺をぶらぶらあるいてブルーが

小精霊に聞いてゆく街の入り口近くに宿が

幾つか有りその中の青い屋根の建物が目的の宿

相変わらず便利な力だ戦闘にも使えるし羨ましい


宿に入ると蓄音機から音楽が流れて来る

良い宿だ気分が落ち着く部屋に入り男連中で

途中で買ったチーズブレットをちぎって食う

予想より柔らかめで食べ易いおやつにぴったりだ

あと小1時間で晩飯だな窓の外街がオレンジに彩られ

染まってゆく夜の匂いが喧騒を掻き消してゆく


「もう夜か確かここ飯出るんだよな降りよう」


食堂に集まるとさけを飲んでる冒険者や

街の家族達様々な人達が集まっている


「はい、おまちどうさまミニシチューと

嵐鮭のムニエルに鶏とラムの包み焼き

喉詰まらせないようゆっくり噛んで食べてね」


元気な給仕さんだな飯も美味そうだそれぞれ

自分の料理を見てがやがやと賑わっている

シチューはとろみと芳ばしくクリーミーで

肉は歯ごたえと旨みが強い種類だジャガイモや

ニンジンはほろりと崩れ身体に染み込む暖かさ


嵐鮭という一応魔物なのだがむっちりとした皮が

パリっとこんがり焼けており身はほおが張る程の

旨味が溢れて甘味もあるそれをバターとたっぷりの

小麦粉でまとめているそして一見餃子のような

もの皮のパリパリ感と生地の芳ばしい香り

そして溢れる肉汁と独特の風味と食感これは珍しい

他の餃子より好きかもしれないぐらいだ

どれも美味いなぁ…多分父さんも食べてた

愛した味なんだろうこの街の特産品も多いみたいだし


「美味かったな、ちゃんと守れて良かったよ

しっかり食ったし今日はゆっくり寝れそうだ」


全部全部納得出来たわけじゃないそれでも

俺は前に進みこの世界を守りたいそれをただ

もう一度噛み締めて眠るこの悲しみも痛みも

きっと全てが終わった時癒してゆけばいい


「ん、粒胡椒がまだ挟まってたか…」



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