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溺愛されてる貴族令嬢は、小さな竜人を義弟(おとうと)にしました。  作者: 竜ヶ崎彰
5章 ヴィンツェルト学院入学

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69."マインティア・フィルセント"ですわ!!

 実力テストを終えて、国語や数学の授業も終えて、お昼休みに入った。


 私達は食堂へと向かって行った。


「わ~いお昼ごは~ん!」


 ティオはずっと楽しみにしていたかのようにテンションが高かった。


 勿論本当に楽しみにしていたみたいだけどね!


 早速注文口で食べたい料理を注文しようとしたら、そこに調理担当の人が出てきた。


「いらっしゃ~い!おや!?初めて見る(メンツ)だが、新入生か?」


 私達を出迎えてくれたのはギロっとした目つきに妙に舌が細長い男性だった。

 さらに驚くべき事に、この人は"亜獣人"でもあった。


「"リザードマン"の『リンロン』だ!よろしくぅ!それで、嬢ちゃん達何食いたい?」


 早速メニュー表を見て見るとたくさんの料理があった。

 値段を見て見ると、私達学院生は()()されるんだって!

 色々と得しちゃった!


「じゃ、じゃあ僕!この大盛りカツカレーライス!あと、チーズサラダに、コーンスープにデザートは…」


「いや注文しすぎ!!」


 ティオはたくさん料理を注文してアギトに突っ込まれた。


 私たちも料理を注文して、出された食事を持ってようやくテーブルに座った。



 そしてみんなで…。


「「「いただきま~す!」」」


 私はサンドイッチ、テレシーはパスタ、アギトはハンバーグ、ミーシアは多めのサラダ、ガレオは魚のムニエルとそれぞれ注文した料理を食べた。


 ちなみにティオはカツカレーとチーズサラダ、コーンスープ、デザードにチョコパフェとたくさん注文したけど、難なく食べていっていた。


 そうやって食べていたからなのかティオは口元に食べかすがついてしまっていたのに気が付いた。



 みんなで食事をしていたその時だった。


「あらあら~ずいぶんと質素な食事です事!」


 すっごい縦ロールのヘアースタイルの女の子が私たちに話しかけてきていた。

 しかも、なんか傲慢な態度を取っているけど…?


「お久しぶりですわね、リタ・アスタルトさん…」


「あなた…どちら様?」


「・・・!?お忘れで!?"マインティア・フィルセント"ですわ!!」



 ーーマインティア・フィルセント


 テレシーの実家の「キレイヌ商会」と並ぶ豪商『フィルセント商会』のご令嬢。

 なにかと私に突っかかってくるんだけど…。


「前回、テイズ王子様の誕生パーティーにも出席していましたよ!」


 そういえば気付かなかったな…


(リタ・アスタルト…相変わらずなんと美しい佇まい…それに容姿にも恵まれていて…私だって劣っていないのに…なんでここまで差が…)


 なんだろう…。

 マインティアが私の事を刺すような眼差しで見つめていた。


「リタさん、あなたは…」


「お嬢様、そのくらいに…」


 メイドらしき女の子がマインティアを制止してくれた。

 そしてマインティアはその場を後にした。


 なぜが知らないけど…。

 解放感が湧いてきていた。


「テレシーさん、あの人お姉ちゃんの事嫌いなのかな?」


「分からないけど、マインティアはリタに色々と言ってくるだけで暴力とか与えている所は見た事無いわ…」


「でも、あいつ、よくリタに絡んでくるよな…」


「おそらく()()でしょうね…」


「嫉妬…」


 でも、私は特に気にしてないけどね…

 何かされてるわけでもないから…。


 そう思っている内に、食事は終わってしまった。


 次は午後の授業だ!

 頑張らなきゃ!

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