108.間もなく開演です!
アギトがお姉ちゃんを連れてどっかに行こうとしているのを知った時は驚いた。
ーー先日
アギトがお姉ちゃんに廊下の掲示板に貼ってあった紙を見て何かと思って僕も見てみると、それは…
隣の街で行われるという催しだった。
美味しい屋台もたくさんあるらしくて…
正直アギトがずるく感じた!
さらにアギトはお姉ちゃんを誘ってその催しに行くって!!
正直羨ましかった!
ーーそして今に至る。
僕はいけない事だと思いつつ、お姉ちゃんとアギトの後をつけてみた。
寮から出ていく所を僕も少し離れた距離から出た。
しかも、僕以外にもテレシーさんにミーシアさん、ガレオさん、ラウラも付いて来ていた。
「まさかリタがアギトくんとデートなんて!」
「お嬢様、目が怖くなってますよ…」
「これは使用人としては見届けませんとね…」
「リタとアギトのデート!!面白い予感しかしない!!」
テレシーさんは僕と同じ気持ちで嫉妬していて、ミーシアさんとガレオさんはとにかくついて来て、ラウラに関してはただの好奇心だった…。
僕達は、建物の陰に隠れながらお姉ちゃん達を少しずつ追いかけて行った。
そして、目的の場所にたどり着いた僕ら。
そこにはたくさんのおいしそうな食べ物の屋台がたくさんあった。
僕はつい涎を垂らしてしまった。
「ちょっと、ティオくん!本来の目的忘れてないよね!?」
「あ、そうだった!」
そうだ!
僕の本来の目的!
それは、お姉ちゃんとアギトの後を追って本当の事を突き止める事!
垂涎なんかに屈したりは…
でも、おいしそうな串焼き肉がジュージューといい音を立てていて、匂いも香ばしくて…
僕は…
「3本ください!」
「ティオくん!?」
つい我慢できなくなって僕は串焼き肉を3本も買ってしまった。
もちろん買った以上は残さず食べる!
「おいしい~!」
「ティオ!こんな時に食べないでよ!ほら!リタとアギト見失ったじゃん!」
「え!?」
ラウラの言う通りだった…。
僕が串焼きを買っている間に2人はいなくなっていた!
「ごめん…僕の所為で…」
僕は少し涙目になって反省した…
食べ物に釣られてしまう悪い癖に負けてしまったのは良くなかったと思っていても…
「でも、おいしいんだもん!」
僕は泣きながら串焼き肉をバクバクと食べた。
そして、あっという間に肉は無くなった。
気を取り直してお姉ちゃん達を探していると、ある物を見かけた。
それは、小さな舞台があって、何かを披露しているところだった。
そして、ふと客席を見るとついに…
(見つけた!)
ついにお姉ちゃんとアギトを見つけた。
お姉ちゃんはワクワクした表情をしていて、舞台を見あげていたけど。
『それでは間もなく開演です!』
「来たアアア!!」
何かの開演を伝えるアナウンスが聞こえてくると、舞台に僕らより年下の小さな子供達が上がってきていた。
『お待たせしました!ただいまから、孤児院の子供達のお歌が始まります!ぜひお楽しみください!』
どうやら僕の知っている孤児院とは違う所の孤児院の子達が歌を歌うらしい。
お姉ちゃんは小さい子が大好きだから、それを楽しみにしていたんだね。
アギトもそれを知ってお姉ちゃんを誘ったんだ…。
子供達が歌い出して、お姉ちゃんは楽しそうだった。
僕はそんなお姉ちゃんの笑顔をとっても可愛く見えた…。
歌が終わるとお姉ちゃんはすごく感動していた。
僕らも気付かれないように、そそくさを帰ろうとしていたけど…
「おい…」
「え?」
「お前ら、何してんだ?」
「あれ?ティオ、みんなも!どうしたの?」
「ああ…」
バレちゃいました!
結局バレてしまった僕らは、屋台で色々と食べ物を買って、空いてる席に着いていた。
「お前らなぁ…少しはプライバシーってものがあるだろ…」
「アギト様に人に言えないプライバシーでもあるんですか?」
アギトは恥ずかしそうにしながら僕らを怒っていたけど…それに対してガレオさんは軽くあしらわれていた…。
やっぱり付き合いが長いとすごいね!
「うふふ、でもやっぱりティオやテレシー達も誘えばよかったね!ごめんね…」
「ううん、大丈夫!」
本当の事言うと、ちょっと除け者にされたようで嫌な気分だけどお姉ちゃんに優しく宥められてそれはそれでよかった!
それから僕たちは催しを色々周って、終わりの時間になって寮に帰りました!




