103.拭えねえ結末だな…
キアヌ・ヴアが牢屋の中で死んだという話は騎士団の間ですぐに広まっていた。
牢を見張ってた看守が言うには、『何者かによって気絶させられてた』という事で、姿を見てはいなかった。
だが、キアヌの死について僕はある"心当たり"があった。
「L?」
「ああ、リタが話していたキアヌがメンバーだと言っていた組織だ…おそらくキアヌはそのメンバーに殺されたんだろう…」
リタが言っていたという組織『L』。
奴らは『この世界に混沌をもたらす』と言っていたらしいけど、詳しい詳細は分からない…
組織の人数も、本拠地の所在地も…何もかも…
謎の多い組織だな…L。
改めて僕とユーリ、そして他の騎士団員はキアヌが死んだ現場である牢屋を調査してみた。
いろいろと見てみたけど、Lに繋がる手がかりらしき物は何もなかった…
結局の所、何の成果も得られないまま僕らは現場を後にした。
ただ、1つだけ悩んでいる事がユーリにあった…。
「なあ兄貴…この事リタ達に話すか?」
「その事なら、伏せて置こう…」
「どうして?」
やつらの詳細が掴めない今、リタ達にどんな危険が及ぶか分からない…。
なんせ、ティオにさんざん酷い事をしてきたキアヌのいたってくらいだから、凶悪な組織である可能性も考えられる…。
それなら、尚更僕らだけの秘密にしておいておくべき。
それが僕にとって一番安全な提案だった…。
ゴリアス団長にこの件を話してみると、団長も了承してくれた。
そしてこのキアヌの死は公には『隠し持っていた毒薬による服毒自殺』として公表された。
「なんか拭えねえ結末だな…"実験ですべてを築いていた男が実験で最期を迎えた"って感じで…」
「それもこれも、Lの存在をまだ公にしない為だから…」
そう…。
Lの存在自体はまだ一般人にも公にしてはいけない…。
秩序と平和を守る為にも…。
それを守るのも、僕達王国騎士団の務めだから…。
「そろそろ休憩だし、昼食にしねえか?」
「そうだね、たまには僕が奢るよ!」
「なんだよそれ!」
まだまだ油断はできないけど…
安全が一番だね!




