7歳になりました 42(秋の収穫祭)
お兄様達は祭壇に一礼して互いに向かい合い、目が合った瞬間一斉に動き出した。アレクシお兄様は火・水・土・風の魔力で作られて鳥を作り出し、フィルマンお兄様に向けて一斉に攻めた。
対するフィルマンお兄様は剣に自分の魔力を纏わせて応戦していく。フィルマンお兄様の動きはとても力強く、それでいてとても洗練されていて思わず見入ってしまう。正確に全く違う属性の魔法を操っているアレクシお兄様も流石だね!時折同じステップを踏んで踊っているけど、こっちがハラハラするぐらいお互いに届きそうなほどギリギリにやり合ってるから見てい落ち着かない!!私が心配そうにしてい姿を見た2人はこっちに向かって「もうしないよ」って笑い、最後の仕上げを始めた。
アレクシお兄様が大きな木を作り、フィルマンお兄様が余分な枝を切ったり模様を彫ったりする。そうして出来上がったのは立派な大樹でできた舞台。そう、お兄様達が戦いながら作っていたのは私が歌う舞台なのです!まぁ、私がちびっ子すぎて後ろの人が見えないかっていうのもあるんだけどね。舞台が出来上がるとものすごい歓声がこだました。黄色い声援が多いような気がする。っていうか素敵すぎてハートを撃ち抜かれて気を失っているお嬢さん達がいっぱいだわ…。あ、気付薬でみんな起きたみたい。よかったよかった。
「「セリーヌ!行っておいで」」
「はい!お兄様達、舞台ありがとうございます!行ってきます!!」
私はゆっくりと舞台に進み、途中祭壇にお辞儀をしてから祭壇に上がる。
さぁ、みんなを楽しませましょうか!
私が選んだ曲はディズ◯ーのかわいい物作りの妖精の映画の歌。花や風、雪片など季節に関係する言葉も出てくるし何より希望に溢れた歌で自分の力で飛び立つ力強さを感じる。
私は歌いながら春から順に季節を表す情景を木に表していった。春には辺り一面に花が咲き乱れ、美しい情景と香りが鼻をくすぐった。夏は青々とした葉の清々しい空気と滝を作り出して弾ける水飛沫、キラキラと輝く日差しが心地いい。秋は綺麗な紅葉と実り豊かな畑の姿、綺麗な葉がひらひらと舞い散り美しい。最後に冬は雪の結晶が辺り一面に煌めいて一斉に光り輝くと大きくて綺麗な虹を大空に浮かべた。
見に来ていた人たちはうっとりとその情景を見入っており、最後に虹が出た瞬間にものすごい歓声が起こった。もう、爆発でもしたんじゃないかってぐらいの歓声で一瞬よろけてしまったよ。
思わず、お父様達の方を見ると…あ、落ち着いた。なぜならお父様達は大号泣して拍手していたから…。人って自分より取り乱している人見ると逆に落ち着くって本当だね。
私が油断していると、急に私が光り輝き出した。
「え?!」
「「「「セリーヌ!!!」」」」
私は大きな花の蕾に包まれた。お父様達が私の元に駆け寄ろうとしたけど、体が動かないようだった。
そして数十秒後、ゆっくりと花が開き中からは四季の自然が表されたドレスに身を包んだ私がゆっくりと立ち上がる。その光景にみんなが見入り、感動して涙を流しならお祈りをする人もいる。
私は言葉を発することができなかった…。精神が乗っ取られたとかそういうことではなくてだただ単に…。
『またか〜!!!』っていうツッコミを内心しつつ、半分死んだ目になっていた。もう、犯人は分かっている。精霊王様達がやらかしたんだとすぐに分かった。だってすっごくワクワクした期待の目でこっち見てるもん…。っていうか、これ何か言わないと閉まらないやつでしょう?!どうするのよこの空気?!こんなに期待を爆上げされてもそんないいことなんて言えないよ?!でもこのままにはできないし…。
えぇ〜い!!どうにでもなれ!!!
「皆さんの幸せを祈っています…」
「「「「「「「「…」」」」」」」」
二…ニコッ
「「「「「「「「ウオォ〜〜〜〜!!!」」」」」」」」
よかった、何とかなった〜!!!
この後、私は極度の緊張と冷や汗で倒れてしまい、お父様に抱き抱えられて舞台を降りてその日は公爵城でゆっくり休むことになった。夕方にはお兄様達がたくさんのお土産を買ってきてくれて一緒にお菓子を食べたり、お祭りグッズを見たりして楽しんだ。
そうそう、私を勝手にゴージャスにした精霊王様達にはお土産はあげませんでした。泣いて謝って来たけど、ゼン様にだけあげました。少しは反省してほしいもんだよ!!まぁ、明日にはあげるつもりだけどね。
ちなみにこの一連のことで嘘設定である私の病弱設定の信憑性が増したのでした。




