7歳になりました 32(オーヴェルニュ領編)
翌日、急ピッチに準備を始め森に向けて出発することになった。森に入っていくのはジファール家の騎士団とオーヴェルニュの騎士団の半数。そして残りのオーヴェルニュの騎士団の半数と王宮から派遣された騎士団がオーベルニュと森の境目に待機し、もし最悪の事態が起こった時に魔物を迎え撃つことになる。
本当なら私が転移してドラゴンがいる場所を探して単身で行った方が早いんだけど、それは却下されたからできないので普通に森の中を進んでいくことになり、馬はすぐに魔獣にやられてしまうし誘き寄せることにも繋がってしまうので歩きで向かう。私は大人の姿で行くけど他の騎士さんとの体力の差は歴然なので強化と回復をしながら進んでいくことにした。そして、今回は休憩中や寝ている時にみんなの疲労を回復魔法で軽くしてあげようと思っています。自分だけズルしてるみたいで気が引けるからね。分からないようにこっそりとやればそんなに気にならないと思うしね!
「セリーヌ十分注意していくんだぞ。そして無理はするな。後ろには俺たちがいるんだ危険があればすぐに引き返してきなさい」
「叔父様、心配していただきありがとうございます」
「フィルマン、何かあればセリーヌを担いででも連れ帰って来るんだぞ。さもなくば、俺もお前もタダではすまないからな…」
「叔父上…分かってますよ。俺はいつでもセリーヌ中心で動いてますから!」
「もう、叔父様とお兄様は心配しすぎです」
「「いや、セリーヌになにかあれば下手したら殺される!!!」」
「はぁ…わかりました。気をつけます!!」
「おい、そろそろ出発するぞ!」
「あ、ヴィクトルさん!今行きますね!!それでは叔父様行ってきます!!」
「あぁ、無理だけはするなよ」
ヴィクトルさんは、昨日までは真っ赤になって心ここに在らずな感じだったけど、ヴィクトルさんのお父様とお母様に引っ張られて姿を消していったのを昨日見たけど、今日改めて会うと口調は少し荒いけど紳士的になっていて驚いた。今日、朝食をいただきに食堂を行こうとしたらドアの前で待っていてくれて食堂までエスコートされた。初めは驚いたけどこんなに人が変わるなんて驚きだよね。まぁ、以前のヴィクトルさんは女性への態度が酷かったから改心してくれて私は嬉しいな。でも、この調子ならますますモテて大変だろうな。
私は前後を騎士団の皆さんに挟まれ、私の周りには護衛騎士の2人やお兄様、そしてジゼルさんとヴィクトルさんが私の周りを囲んでいる。進み始めて1時間が経ったところでちらほらと魔物が出るようになってきた。でも、騎士団の皆さんが順調に倒してくれているので今のところ問題ない。
「セリーヌ、疲れてないか?」
「お兄様、大丈夫です」
「無理しないで、何かあれば言うんだぞ」
「はい、ありがとうございます」
「セリーヌはいつも自分のことは無頓着だから心配だな…」
「もう、そんなことないですよ!」
「まぁ、俺がその分気をつければ…ん?!」
「来たぞっ!!!」
現れたのはゴブリンとオークの群れだった。初めて見たけど見た感じがいかにもモンスターって感じで怖い。しかも数が多い!!軽く100は超えている…。でも、ここで足を止める訳には行かないから頑張らないと!!!
私は騎士団のみんなと自分にバリアを張る。そうしている間に皆さんがバッタバッタと倒していく。そして、気づいた…なぜか魔物が私をロックオンしていることに…。
「???何だか私を狙っているような…」
「「「「「ッ!!!!!!!!」」」」」
「気のせいかな…?」
何だか魔物達がギラついた目で私を見て、息を荒くしているような…。
お兄様にどう言うわけか聞こうと横を見たら、今まで見たことがないくらい怖い顔でゴブリンとオークを睨みつけていた。しかも護衛騎士のランスさんとシドさん、ジゼルさんやヴィクトルさんも鬼の形相で魔物を睨みつけていた。
「「「「「殺すっ!!!!!」」」」」
その後はもう…ものの数分で魔物が駆逐されていた。あまりのみんなの変わりように驚いてその場を動くことができなかった。
「お、お兄様…今のは…?」
「ん?何かあったか?」
「えっ…だから、あの…」
「何もなかったよな?」
「は、はい…」
なぜか分からないけどこれ以上は突っ込んじゃいけないやつだ…。その後は順調に進んでいき、お兄様達が鬼に変化することもなくあれは幻だったのかと思ってしまうほどでした。




