Sige ジファール家の過保護チームVS可愛い娘がが欲しいオーヴェルニュ家
[セリーヌが着替え中の攻防戦のお話]
「セリーヌ様は本当に可愛らしいわ〜!」
「本当だな!!あんな子が娘になってくれたら毎日楽しく過ごせそうだな」
「ハハハ、生憎養子に出る予定はないですね」
「フィルマン殿、もちろん養子としてきてもらうのは申し訳ないですからね。嫁として…」
「ハハハ!!!面白い冗談だ!!!セリーヌは嫁に行かず、ジファール家にずっといたいと本・人・が!!!強く希望しておりますので!!!」
「あら?セリーヌ様はまだ子供でいらっしゃるから、恋をしたらきっと変わりますよ♪」
「ハハハ!!!あの子はああ見えて大人ですよ!!!」
「まぁ、アレクシ様がお嫁さんを迎えたらセリーヌ様も居づらくなるのではないかな?」
「ハハハ、ご心配痛み入ります!!!しかし、もし(絶対そんなことにはならないが)そうなれば俺が一緒に暮らしますからご心配なく!!!」
この間、バチバチと火花が散り、かつフィルマンの絶対零度の作り笑いを前にしてもオーヴェルニュ家の当主と妻は一向に引く気配がない。彼らとしても一人息子がやっと恋した女性との恋を応援したい気持ちとセリーヌと関わり見た目も中身も申し分ない理想とも言える女の子を何としても手に入れたいと考えているのだ。
二対一の構図のように見えるが、口を出さないが護衛騎士の2人、そして叔父にあたるルイも無言で圧力をかけている。彼らとしてもセリーヌを渡したくない気持ちは同じなのだ。それに、ルイに至ってはあわよくば、無口で分かりにくい息子の理解者でもあるセリーヌを手放したくない思いもあり、今回は加勢に加わっている。
「あらあら、仲良しなのは良いことですがあらぬ誤解を招いては大変ですわ」
「ハハハ、むしろ誤解されて光栄ですよ」
「セリーヌ様は今7歳だが、あと10年もたてばうちの息子との釣り合いもバッチリでしょう!!貴族間で10歳の歳の差など珍しくないしな!!」
「ハハハ!!!!!!!ご冗談を!!!全く面白くないですよ!!!!!」
この戦争勃発の最中、ヴィクトルは何をしていたかというと顔を真っ赤にして口をパクパクさせ息も絶え絶えな瀕死な状態なのであった。セリーヌが自分の色(赤)を纏い、かつセクシーなドレス姿を見てもう立っているのもやっとなのであった。
そんな危機的状況の中、着替えが終わったセリーヌがジゼルと共に戻ってきた。ジゼルはセリーヌを渡してなるものかとオーラが出まくっている。
「???皆さん、どうしたんですか?…何だか雰囲気が…」
「まぁ!セリーヌちゃんおかえりなさい♪今ねセリーヌちゃんがお嫁に来てくれたら嬉しいなって話してたのよ!」
「え?!いや…多分ヴィクトル様が私なんかがお嫁では嫌だと思いますよ」
グサッ!
「そんなことないわ!!!誤解よ!!!」
「…だって声かけただけですごく嫌がられましたし」
グサグサッ!!
「私は大好きなみんなに囲まれてジファール家にいられるのが一番幸せです♪」
グサグサグサッ!!!!!!
「「「「セリーヌ(お嬢様)!!!」」」」
ヒシっとフィルマンお兄様に抱きつかれ、その周りで頷きながら周りにいる護衛騎士の2人とジゼルさん。その様子を見て苦笑いしている叔父様。
「セリーヌずっとずっっっっと一緒にいような!!!一生ジファール家にいていいからな!!!むしろ他に行かないでくれ!!!」
「あはは♪もちろんお邪魔じゃなければずっと一緒にいます!」
「邪魔になるわけないだろう!!!」
ぎゅーっと抱き合う美しい兄弟2人。完全に蚊帳の外になってしまったオーヴェルニュの人達。
コソッ
「あなた、今はまだ難しそうね…」
「そうだな…もう少し様子を見る必要があるな…。その間にヴィクトルの根性を叩き直す必要があるな」
チラッ
ヴィクトルはセリーヌの言葉を受けて自分の不甲斐なさを恥じ、もう瀕死…というか死んでいる。完全に真っ白に燃え尽きている…。
「まぁ、本腰を入れるのはドラゴンを一件が収束してからだな」
「そうですわね。私も女性への接し方について叩き込みますわ♪」
こうして各々が自分たちの世界に入っている間にいろいろな思惑が進行していくのでした。




