7歳になりました 31(オーヴェルニュ領編)
オーヴェルニュ城に入ってからお兄様やオーヴェルニュの皆様、それから叔父様たちが明日から入る森にどう騎士団を進めていくか打ち合わせを行っている。私はまだ子どもだからって言われてヴィクトルさんのお母様と一緒にお茶を飲んで待つことになった。ちょっと仲間外れにされた感じがしてちょっとむくれたら「可愛い」って連呼されて余計にほっぺが膨らんでしまった。私、怒ってるんですけど?!
こうなったらどうにもならないので、大人しく引き下がることにしました。そして現在、私は天国にいます。
「セリーヌちゃん、これもぜひ召し上がって♪」
「はい!いただきます!!」
私は今、ヴィクトルさんお母様の膝の上に座っています。そして座ったことで私の後頭部にはホワホワぷるぷるのマシュマロが当たっております!!!すっごく柔らか〜い!!!同じ女だけどなんかドキドキする!!!
素敵な感触を後頭部で感じながら美味しい紅茶とお菓子を頂けるなんて!!こんなの天国でしょう!!!
「ねぇ、セリーヌちゃん。セリーヌちゃんも森に入るって聞いたのだけど、本当なの?」
「はい、その予定です」
「そんなっ、やっぱり危険じゃない?セリーヌちゃんが怪我したら大変よ!!まだこんなに小さくて可愛いのに〜!!!」
「大丈夫ですよ!森に入る時は大きくなりますから!」
「???」
「あ、見てもらった方がいいですね!」
ここにはヴィオレット様しかいないし、変身しても問題ないね!オーベルニュ家の人たちと限られた人には変身した姿を見せていいってお父様に言われているからね。この部屋には私とヴィオレット様、護衛騎士のランスさんとシドさん、侍女のジゼルさんしかいないからね。今、オーベルニュのメイドさんは追加のお茶とお菓子を撮りに行ってるから少しの間なら見せても問題ないはず!
私はささっと魔法を使って17歳の姿に変身する。
「つ!!!???」
「こんな感じで大人の姿に変身するので森の中も大丈夫です!では、元に戻りますね」
「ちょっと待って〜〜〜〜〜〜!!!!!」
「!?」
「あ、ごめんなさい。大きな声出して!あの、ちょっとそのままでいて!!お願いよ!!!」
「え?でも、この姿は限られた人にしか見せちゃいけないと言われていて…」
「大丈夫!!!使用人にはあなたの姿は見せないわっ!!!だからちょっと待ってて!!!」
「は、はい…」
ヴィオレット様はそういうと急いで廊下に出て行き、何やら話している。
訳がわからずジゼルさん達の方を見ると死んだ魚の目で遠くを見ていた。
数分後、ヴィオレット様がたくさんの荷物を持って部屋に戻ってきた。その手には大量のドレスが抱えられていた。そしてものすごくいい笑顔で…
「セリーヌちゃんっ!!お着替えしましょう♪あ、すぐに靴と装飾品も持ってくるから待っててね!!」
「…はい」
私はこの笑顔を知っている…。お母様が私を使って着せ替え人形のごとくドレスを着せている時と同じ笑顔だ…。そして私は心に刻んでいることがある…この笑顔に逆らうことはできないと…。
私が死んだ魚の目になっている間に部屋には護衛騎士の2人によって衝立や鏡が運び込まれていた。
ヴィオレット様は女の子がいたらオシャレさせるのが夢だったそうで、すっごくいい笑顔でドレスを選んでいく。
「これ!!ぜひこれを着てみて!!!」
「はい…。わぁ〜!!このドレスすっごく華やかですね〜!!」
私が渡されたのは真っ赤なドレス。胸元がやや深めにあいているが、上の方には装飾がなくすっきりしたシルエットで下はマーメイドラインで裾がふわりとひろがったセクシーな感じのドレスだった。
「ふふふっ♪これはね、夫が私に初めて贈ってくれたドレスなの〜♪」
「え?!そんな大事なドレスを私が着ていいんですか?!」
「もちろんよ!!!ぜひ着てちょうだい♪」
ドレスに着替えるのをジゼルさんに手伝ってもらい、髪はアップスタイルにしてうなじが見える感じにまとめてもらう。最後にダイヤモンドとルビーのネックレスとイヤリングをつけてもらうと自分じゃないみたい!!すっごく大人なお姉さんになった気分!!
私は衝立から出てランスさんとシドさんに声をかける。
「ランスさん、シドさん!!私、お姉さんみたいじゃないですか?」
「「ーーーーーっ!!!!!」」
ランスさんは真っ赤になって固まり、シドさんは目元を赤らめながらランスさんをこづいている。
「お嬢様、とてもお綺麗ですよ」
シドさんの言葉にランスさんが首を高速で縦に振って肯定してる。
「わ〜い!ありがとう〜!」
「セリーヌちゃんとってもよく似合うわぁ〜!!!可愛い〜!!!」
「えへへ」
なんかみんなに褒められると嬉しいなぁ〜!!!
トントントン
「ヴィオレット殿、セリーヌはここにお邪魔していますか?」
「あ、お兄様だ!!」
「えぇ、いらっしゃいますよ。どうぞお入りください」
「失礼しま…す?!」
「お兄様〜!!ヴィオレット様が素敵なドレスを着せてくださったの!!」
「おい、フィルマン何固まっているんだよ?さっさとどけろ…よ?!」
「あ、ヴィクトルさんもいらっしゃったんですね!!」
「なっななななななななっ!!!」
「な??」
私はこてんと頭を傾けヴィクトルさんを見つめる。すると髪や瞳と見分けがつかないくらい真っ赤になって固まってしまった。
「おや…?おぉ〜!!!それは私がヴィオレットに送ったドレスだな!!ヴィオレットが着せたのかい?まるで娘ができたようだな!!ハハハハハハッ!!」
「そうなんです!!とっても可愛いでしょう♪」
「おやおや、早速着せ替え人形になっていたのか。ふむ…自分の目で見るまで信じ難かったが…本当に大人になれるようだな」
ルイおじ様が苦笑しながら見ている。
お兄様は素早く自分の上着を脱いで私にかけた。そして、他の人に私が見えないように抱え込んでしまった。
「???お兄様どうしたの???」
「いや、何でもないよ?セリーヌとても似合っているけれど、大切なドレスを汚したら大変だから着替えておいで。そして元に戻ってでておいで」
お兄様の有無を言わせぬ迫力に負けて着替えに戻る。その間、小声で大人達が言い争っていたが私にはよく聞こえなかったのであえて突っ込まないことにしました。
触らぬ神に祟りなしってね…はぁ〜ドラゴンの子にもこの言葉教えてあげよう…。そんなことを考えながら着替えをする私なのであった。




