7歳になりました 23(オーヴェルニュ領編)
『ーーーーーー…』
え?誰…?
『ーーーーーヶ…』
何?
『ーーイーーーー…』
苦しいの?
痛いの?
泣いてるの?
あなたは…誰…?
「ーーーーーー?ーーー様?」
「お嬢様?おはようございます」
「……あれ?…夢だったの?」
「どうかされましたか?何だかうなされていましたが?」
「ジゼルさん…う〜ん、よく覚えていないんだけど何だか悲しい夢だったような?」
「まぁ…大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫だよ」
「では、朝の支度をいたしましょう」
「はい、お願いします」
何だか気になる夢だったな〜…。ジェット様に夢について聞いてみようかな?何だか胸騒ぎがするんだよね…。
「お嬢様、今日はアレクシ様のご友人のオーヴェルニュ辺境伯のご子息がいらっしゃるそうですよ?」
「あ〜そう言えば、お兄様が言っていたわね…。だから街に行っておいでってお兄様が言っていたのよね…。お兄様は私をご友人に合わせるのが嫌みたいなのよね…私、騒いだりしないのにな〜」
「…多分、別の意味で会わせたくないのだと思いますが…」
「え?何??」
「いえ、なんでもございません」
「???」
キャンプが終わって、すっかりいつもの日常になってしまったな〜。基本、王都の屋敷にしかお客様は来ないんだけど今回はオーヴェルニュ領からだと王都に行くよりもジファール寮の方が近くて馬を飛ばせば5日で来れるからこっちで会うらしい。何でも大事な要件らしくて、お父様も一緒にお話を聞くらしいんだよね…。
私は、みんなで朝食をとってから街に出かけることにした。最近は図書館の利用者も増えているみたいだし、街に設置したピアノを使って音楽会を開いてみんな楽しんでいるみたい。準備した甲斐があるよ!
今日はおじいちゃんのところにでも行ってみようかな〜!
「ん?旅の人かしら?何だかうろうろと何かを探しているみたい?」
そこにいたのは黒い膝まで隠れる黒いローブを着た男性だった。ローブの裾が少し持ち上がっているから剣を持っているみたい。冒険者かしら?冒険者ギルドでも探しているのかな?
「ランスさん、シドさん、あの人何か探しているみたいだから声をかけましょう」
「「はい、我々もお供します」」
「あの、何かお探しですか?」
「…あ?」
私を見たその男の人はアレクシお兄様と同じぐらいの年齢で、赤い髪と瞳のイケメンだった。切れ長の釣り上がった瞳と近くで見ると細身だけどがっしりとした感じの人だった。イケメンは見慣れているけど、いかにもスポーツマンって感じだな。
私がまじまじと見てしまったせいなのか、私を見た男の人は眉間に皺を寄せて嫌そうな表情をしました。
「…俺に話しかけるな」
「え?でも…何か探しているみたいだったので…」
「お前には関係ないだろ。…はぁ〜どうして女っていうのはいつも鬱陶しいんだ…チッ」
え〜〜〜…何この人?!
「…私と話したくないなら、ランスさんに聞いてみてはどうですか?」
「…はぁ?お前の息がかかっている男の話なんか聞くかよ」
なっ?!なんて失礼な!!!今までこんなにも蔑んでくるような人に会ったことない!!!っていうか、アレクシお兄様とはすごい違いだね!!お兄様はとっても紳士的で優しくて素敵だけど、この人は明らかに私を…っていうか子ども、もしくは女性が嫌いみたいね。でも、だからって何も悪くない人に失礼な態度を取るのは間違っていると思う!!
「………あなた何歳ですか?」
「あ?」
「少なくても私よりは年上ですよね。それなのにあなたは何も学んでこなかったようですね」
「…何だと?」
彼の眉間により深い皺が刻まれるのが見えるが、構うもんか。言わなくちゃいけないことは言わないと!!
「礼儀がなっていないと言ったのです。あなたは私が嫌いなようですが、私は何かあなたにしましたか?困っている人に声をかけることがそんなにいけないことですか?まぁ、私のことはいいです。でもランスさんに失礼な態度を取るのはやめてください」
私は思わず、目の前の男性を見据える。
「っ!!女はいつも何かと擦り寄ってくる!!お前もそうだろ!!」
「…自意識過剰も甚だしいですね。それと女性に対しての差別発言もやめてください。失礼です!!」
「なっ?!」
「…困っていないなら結構です。失礼します。お二人とも嫌な思いをさせてすみません。おじいさんのところに行きましょう?」
「「…御意」」
なんて失礼な人なんでしょう?!2人にも嫌な思いをさせてしまったな…。あ〜2人が彼を氷点下の眼差して睨んでいる。2人には後で何かお詫びの品を用意しましょう。
この時は、この失礼な男の人にまた会うことになるなんで考えもしませんでした。
この人にまた会うまで、あと5時間。




