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96.お礼の会2

今とてつもなく居心地が悪いです。

グレイ様もカペロ様もにこにこ笑顔ですが…………目が笑ってません。むしろ睨みあってるんじゃないかと黒いオーラ放出中ですよ。

心配で二人の顔を見上げているとグレイ様とカペロ様二人と目があった。


「今はやめよう。」


「そうだな。」


急にあっさりと態度を翻す二人に、ん?んん?と意味がわからずおどおどしてしまった。


「リィ、そんな心配な顔をさせてごめんな。」


「リーゼ、グレイセドと仲が悪い訳じゃないからそんな顔をさせてすまない。」


二人から見下ろされ、逆に私が心配をされてしまった。

私はブンブンブンっと首を横に振ることしか出来なかった。


「あらあらあら、うふふ。ここまで溺愛されてリィは幸せ者ね。」


声の方を見るとお母様が満面の笑みで立ち、グレイ様にカペロ様を目を細めて見ている。私を見たお母様はニンマリとしてまだ伝えていないのに見透かされている(二人からの好意)ことが恥ずかしくて内心動揺してしまう。


「ウォレット公爵夫人、今日は招待いただきありがとうございます。」


「うふふ。そんな畏まらないでいいのよ。皆様が楽しんでいただければそれだけでいいの。今までリィのために色々と対応してくれてありがとう。」


カペロ様が代表するようにお母様に挨拶をするとみんなが気づいて注目をし、カペロ様がお辞儀をすると一緒にみんなもお母様にお辞儀をした。



――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――




「それにしてもリーゼ様残念ですわ………。」


ん?何がですか??

いきなりナージュ様に落ち込んだ表情で言われた。


「何がですか??」


本当に意味がわからないので、首をかしげナージュ様に問いかけた。


「はぁぁぁぁ。可愛いです!私の姉に(お兄様との結婚)なってくれる日を夢見ていたのに……………リーゼ様と一緒にお茶したりお泊まりパーティをしたり………と夢見ておりましたのに残念ですわ。」


ナージュ様いわくカシリス様からざっくりではあるが今までのこと………ヒロインやご令息達から私を守るためサムウィル様にカシリス様、カペロ様が婚約者候補になってくれていたこと、まだグレイ様と完全に婚約破棄をしていないことを知ったらしい。

えーーー!やりましょうよ!お茶したりお泊まりパーティ!楽しそうです!!


「ナージュ様の気持ち嬉しいです。ありがとうございます。それにお茶したりお泊まりパーティは普通にしましょう!」


嬉しくてにっこりと笑顔で答えるとナージュ様が私を見てニヤリと笑顔になった。


「………やっぱり諦められませんわ。お泊まりパーティいいですわね。それでしたらサラモン侯爵邸(私の家)()()()()()()()()、ふふふ。」


ん~何故か腹黒いオーラを感じるのは私の気のせいでしょうか!?


「駄目だよ。カシリスもいるサラモン侯爵家では駄目だ。リィがウォレット家以外で外泊するのは王宮だけだ。」


否定的な言葉が隣から聞こえてきた……んですが、それよりも何て衝撃的なこと言うんですか!!

それって()()()()()()()()()()()!ってことですよね?

こんな友達達やお母様の前で恥ずかしすぎますぅぅぅ。


「グッグレイ様、ナージュ様は女の子ですよ!?友達ですよ!?」


いやいやいや、女友達だから気にしなくていいですよ!っとフォローを入れグレイ様を見上げると、私の頬を手で触れながら見下ろしているグレイ様の瞳が………表情が悲しそうにしている。


なんてこった………………グレイ様その顔は反則です。

そんなに私がお泊まりすることが嫌なんですか!?

…………見つめられるともう駄目です。

私が折れちゃいます。

う~ん…………どうしたらいいかな。。


「それでしたらウォレット家にお呼びするのはいかがでしょうか?」


頬を触っていた手が警戒したようにピクリとしたことで…………グレイ様があまりよく思ってないことがわかった。

う~ん…………さらに困った。家も駄目なのか………。


「そんなにしたいなら王宮でしよう。」


「「はっ?」」


これまで黙って聞いていたナージュ様も私と一緒に令嬢に似つかわしくない声をあげた。


「王宮の客室を用意しよう。親には伝えとくから大丈夫だよ。」


にっこり微笑んで決定事項のように話してますが

……王宮を旅館みたいな感覚で言っちゃってますよぉ!

普通なかなか行けませんからね!入れないですからね!

それにグレイ様の親って王様に王妃様じゃないですか!!そんな大事なお泊まりパーティって普通ないですからーーーー!!

あのナージュ様も固まってますから相当ですよ!


「あらあらあら、楽しそうね。私も行きたいわぁ。」


ヤバイ、お母様がこんなときに乗り気だ!!

なんかヤバイ方向に行きそうな予感がする!!


「でも…………王宮でお泊まりパーティなんてとても迷惑になるんじゃ…………。」


ねっ!やめましょう!やめときましょう!?

とやんわり言ったつもりだったが……………。


「何言ってるの!青春だわぁ~!私からもミール(王妃)に伝えとくわ。楽しみだわ~うふふ。」


駄目だった………伝わっても決定事項だった!!

お母様は止められない。

固まっているナージュ様にごめんなさいと伝えるのが精一杯だった。




そして………お母様とグレイ様から聞いたお義母様(王妃様)が乗り気でお母様やこのお礼の会にいたカペロ様、カシリス様、サムウィル様までお泊まりになった。何故かお義父様(国王陛下)までもうきうきしていたと………なんてことだ。


気軽にお泊まりパーティ楽しそう!!から始まった私の軽率な発言がとんでもない方向に発展してしまった。

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