表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
9/10

彼女との出会い

 あの方の正体…それは今も分かりません。馬車で送って貰ったあの帰りの日に送って下さった方に聞いてみたのですが、無言で答えることなく、そのまま会話をはぐらかされてしまいました。


 私が今、気になっているのは、舞踏会で出会ったセシルさん、後、私からモンスターを守ってくれた騎士、又、私を教会まで送るように指示したあの方と呼ばれている人、でも、本当に思いがあるのは、舞踏会で出会ったセシルさん、私は、また、彼とお会いしたい気持ちでいっぱいです。


 また、セシルさんとお会い出来たら二人で何処かに出かけたい。私は、彼のことをたくさん知りたい。


 そう思い、洗濯を済ますと、少し遠くから人が崖の上に立っているのを見つけてしまいました。いったい、どうしたのでしょうか?


 私は急いで崖のある方を周りすぐさま駆け付けて声をかけました。


「あの…すみません!! いったい何があったのですか!!」


 女の子です。女の子というよりも、角を生やしていて、可愛らしい目つき、服装にマントを羽織っております。


 普通の人間ではなさそうです。じゃあ、いったい… そう考えた時に、私は、ひょっとしたら魔族なのでは? っと思ってしまいました。


 その魔族がどうしてこんなところにいるのかしら? 彼女は私の声が聞こえているのか返答がありません。それどころか、少しづつ崖に足を踏み入れております。


「待って下さい!! 死んではいけません!!」


 ですが、彼女は少しづつ、少しづつ崖の方に近付いて行きます。


「な、何があったのか分かりませんが、私とお話ししましょう」


 すると、彼女が立ち止まり、こちらに顔を向けて振り向きました。非常に悲しそうな目つきをしております。


 私は彼女の目を見た時、優しそうな感じを受けました。私は自然と口が出ました。


「私ね、幼い頃から両親に気に入られなかったから、挙句の果てには追放され、捨てられた…。たいしたスキルしかなかったから。そんなたいしたことのない、私でも現在生きてる。あなたがどんな辛いことがあったのか、私には分からない。もしかしたら、あなたは、私より、辛い目にあっているのかも知れないし、それは私には分からない。でも私はあなたに生きていて欲しい。そう思ってる」


「何、言ってるの! …あのね…私、過去に人を殺してるんだよ! それに魔族なんだよ! 何で、人間である、あなたが私の死をとめてるの! おかしいよ!」


「そう。でもね、私から見たあなたは、本当は心がやさしい女の子だって思ってる。さっき、あなたの目を見て、始めて優しそうな印象を受けた。心が和やかな感じの女の子なんだって」


「えっ?… 私が?」


「うん、そうだ…」


 その時でした。崖が崩れ、女の子が転落したのは…。私は急いで彼女の右手を左手で掴みました。しかし、私も落ちそうです。私の右手が、崖の石をギリギリ掴んでいます。


(落ちそう…でも落ちる訳にはいきません!)


「離して、あなたまで死んじゃう」


「離すものですか! あなたを引き上げるまで絶対に離さない!」


「お願い、離して…。死ぬのは、私だけで良い」


「嫌よ、嫌!!」


 そう言っても、もう崖の石を掴んでいる右手も、もう限界です。

(離すもんか…! あっ!?)


 手が離れてしまいました。私と彼女が転落していきます。もう、終わりです。そう思った時でした。私と、彼女の体が浮いたのです。


 えっ。これはどういうことかしら? いったい何が…。


 崖の上をみると、昨日、助けてくれたあの騎士の姿がありました。


 騎士が手をかざして、私達を魔法で崖の上まで移動させてくれたのです。


「大丈夫か?」


「はい、大丈夫です」


 私は騎士の問いに答えました。


「何で、私なんて助けたの? 助けるのはこの女の子だけで良かったのに」


 女の子が騎士に聞きました。


「ふむ、特に事情なんてない。君は一応、魔族みたいだが、人間らしき心が残っていると見た。だから助けた」


「私にそんな心、残っていない!!」


「じゃあ、その子に聞いてみるんだな」


「えっ?」


「自分の心は、自分より、相手の方が良く知っている。だから、その子に聞いてみろと言っている」


「あなたに…」


 女の子が私の方を向きます。


「そうだ」


 騎士が言いました。


「私のこと…どう思った? 酷い魔族でしょう?」


 女の子が私に聞きました。


「そんなことないよ。あなたは心のやさしい女の子だよ」


「何で、そんなこと…言うの?」


 女の子は思いっきり私の懐に泣いてしまいました。私はこの女の子を保護するため、教会に連れて帰ります。そして、私の窮地に二度も助けてくれた騎士のことを様付けて呼ぶようにしようと決めました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ