カナリアの悩み
また、今日も騎士様に助けられたな…。でも、全てはセシルさんのおかげです。
彼が、私が連れさらわれたことを騎士様にお伝えしたからこそ、こうして、私は助けられた。だから、今日は、騎士様よりもセシルさんに感謝をしないといけません。
しかし、気になります。それは、あの騎士様のことです。私は一度で良いから、あの方の素顔を知りたい。騎士様がいったい誰なのか? 最近、頭にあるのは、セシルさんのこと。そして、正体の知らない騎士様のこと。
私の部屋の窓には満月が夜の遠くの空から輝いておりました。とても丸くて綺麗です。ユウキちゃんはと言うと、同じ私の部屋のベッドで寝ております。
「カナリアさん、どうですか? 彼とのお付き合いは?」
ソファに座っている隣で、ユリナさんが私に聞いてきました。
「はい、セシルさんはやさしくて、とても頼りになる人です」
「そうですか、それは良かったですね」
「はい」
「ユリナさん、実はお悩みがあります」
「なんですか?」
「セシル子息と騎士様のことです。私、セシル子息のことが好きなのに、騎士様にあれだけ助けれたら、もしかして、私、騎士様のこと、好きになってしまわないかしら?」
「カナリアさんは、本当は誰が好きなの? セシルさんとあの騎士様?」
「そ、そりゃ、セシル子息ですよ。私はだって、セシルさんとは、心を許し合っている恋人関係だから」
「だったら、どれだけその騎士様に助けられても、セシル子息のこと、好きになるのは変わらないんじゃないかしら」
「でも、もし私…騎士様のこと、好きになってしまったらどうしようって。そうなったら、セシル子息に悪いなって。実はさっき、悩んじゃって」
「今日も…助けられたの?」
「はい」
「そう…。最近…ううん、昔からここらの国は物騒なことばかりだから、カナリアさんも気をつけないとね」
「そ、そうですね」
騎士様がどんな方であれ、私がセシル子息のこと、好きなのは変わりません。しかし、騎士様も私のこと、好きなのかな? そうなったら、二股の関係になってしまうかも…。
私は、今日の夜、そのことばかり考えて中々寝れませんでした。




