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圧倒的強者


シズカは疾風のごとく駆けた。


次の瞬間には、すでに剣を抜き放ち――ミナトへと致命の一撃を振り下ろしていた。


だが――


ミナトは躊躇しない。


瞬時に剣を構え、その一撃を受け止める。


金属が激しくぶつかり合い、衝撃が空間を震わせた。


――だが。


次の瞬間、ミナトの膝が砕けるように地面へ沈む。


「ぐっ……!」


圧倒的な重圧。


その一撃は、人間のものではなかった。


息を整える暇すら与えられず――


シズカの蹴りが、ミナトの胸を捉える。


「ッ――!!」


身体が宙を舞い、壁へと叩きつけられる。


石壁が砕け散り、瓦礫が舞った。


ミナトは地に崩れ落ち、荒い呼吸を繰り返す。


血を拭いながら、低く呟いた。


「……強いな……」


細められた瞳。


「……しかも、容赦がない」



一方――


シンは戦いを眺めていた。


口元に、いつもの笑みを浮かべながら。


だがその時――


四人の特殊部隊が現れ、彼を取り囲む。


「動くな!」


鋭い声。


だがシンは動かない。


ただ、楽しげに笑った。


「やめてくれよ……」


視線はミナトとシズカへ向いたまま。


「せっかくの見世物なんだ」


一人の兵士が耐えきれず、突撃する。


その瞬間――


――爆ぜた。


頭部が、跡形もなく吹き飛ぶ。


沈黙。


そして――


連鎖するように。


二つ目。


三つ目。


四つ目。


全ての頭部が、一瞬で爆散した。


血が宙を舞う。


シンはため息をついた。


「だから言っただろ」


冷めた声で。


「邪魔するなって」



戦いは続く。


ミナトは再び立ち上がり、全力でシズカへと斬りかかる。


だが――


その一撃は、あまりにも容易く止められた。


まるで子供の剣のように。


シズカは冷ややかに言う。


「……扱えていないわね」


次の瞬間、再び蹴りが放たれる。


ミナトは後退するが、今度は倒れない。


踏みとどまる。


「……まだ終わってない」


剣を強く握る。


その瞬間――


蒼い光が、刃から溢れ出した。


激しく揺らめく魔力。


空気を震わせる。


シズカは微かに笑う。


「いいじゃない」


そして――消えた。


次の瞬間には、空中。


そのまま、一直線に突撃する。


――激突。


剣と剣がぶつかり合い、爆発が起きた。


地面が揺れ、空気が裂ける。


土煙がすべてを覆い隠す。



やがて――静寂。


煙が晴れる。


そこに立っていたのは――ミナト。


だが。


その瞳が、わずかに見開かれる。


理解できない現実。


彼の剣は――折れていた。


そして。


シズカの剣が――その胸を貫いている。


「……な……」


呼吸が乱れる。


予想すらしていなかった結末。


シズカは一歩近づき、淡々と告げた。


「最後に言い残すことは?」


血が、地面へと滴る。


沈黙――


その時。


「――失礼、お嬢さん」


静かな声が、空気を裂いた。


シズカの視線が動く。


そこには――シン。


変わらぬ笑み。


何事もなかったかのように立っている。


「そいつは困るな」


ミナトを見やりながら。


「俺はそいつを、生きたまま欲しいんだ」


シズカの瞳が鋭く細まる。


「……誰?」


短い問い。


シンは、わずかに肩をすくめた。


「ただの通りすがりさ」


そして――


静かに笑う。


「力を求めてる、ただの人間だよ」

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