エピローグ
ホワイトデー当日。
バレンタインデーのお返しがそこかしこでされる中、香緒里たちも夜、お返し会がされていた。
大体はお菓子、彼女にはプラスで小物をあげる者が多い。
「……去年も思ったんだけどさ、圭のお返しってセンス良すぎない……???」
「こういうところでいいところのお坊っちゃん感と女の子慣れしてる感出てるよね……。」
「あの、沙世ちゃん雪音ちゃん??それ褒めてる??貶してる??」
ちゃんとそれぞれの好みのお菓子をチョイスしてくるあたり、さすがである。
「毎年相当数お返ししてるもんねー。」
「……そこまで考えてお返ししたことねぇな。」
奈津の言葉に秀人はそう言う。
もちろん、香緒里へのお返しは別である。
「え、待って圭くん!!!これめちゃくちゃ買うの大変なやつじゃない……!?」
由美は渡されたお菓子を開けて、声を上げた。
「由美ちゃん、前に食べてみたいって言ってたなと思って。」
「確かに言ったけど……ありがとう、嬉しい。」
ケーキ屋の娘であるため、話題のお菓子のチェックは欠かさない由美だが、どうしても買いに行けないものや限定の物は食べられなかったりする。
「秀人、こういうとこだよ?」
「いや、俺は香緒里以外にそんな時間使わないからな??」
沙世に圭を指し示され、秀人は呆れたように言う。
同じモテでもまた種類が違うのだろう。
圭の方がアフターフォローがいい。
「じゃあオレからもみんなに〜。」
直樹は紙袋からお菓子を取り出し、全員に配る。
「俺らにも?」
「うん、みんなには沢山感謝してるからね。ちゃんと手作りだよ。」
翔太に聞かれ、直樹は頷く。
昨日、由美指導の元作ったのだ。
一応料理部のため、出来はいい。
最後に美愛の元へ行き、隣に座る。
「はい、ミメイ。」
「ありがと。」
お菓子を渡した後、直樹は美愛を抱き締める。
悠は思わず止めに入ろうとするも、直樹の表情を見て踏みとどまる。
「オレね、ミメイと従姉弟でよかったよ。ミメイのおかげでみんなに会えたし、昔も、日本に来た時はミメイのおかげで楽しかった。いっぱい助けてくれて、ありがとう。」
「あんたが幸せなら、それでええわ。」
「うん、ありがとう。」
穏やかな顔をして直樹は笑う。
少し驚いていた顔をしていた美愛も微笑み、その背中を軽く叩いた。
周りで見ていた香緒里たちも頬を緩める。
が、話し終えた後もしばらく離れない直樹を見て、悠は遂に引き剥がす。
「いやなげーわ!」
「やーミメイの抱き心地がよくてつい……いたい!」
スパーンと悠と美愛の2人から頭を叩かれる。
「いい感じの雰囲気だったのに……」
「なおちゃんだから許されてるけどこれ普通ならセクハラになるね?」
「お前ならアウトだな。」
「俺女の子にそんなことしないし言わないよ!?」
香緒里は苦笑いをし、奈津は亮に言い、亮は圭を見て言う。
まぁ確かに圭はしないだろう。
「うちの感慨を返せ!」
「言ったことはほんとだもん〜」
賑やかなその雰囲気に、3年生でもこれは変わらないんだろうなぁと香緒里は思う。
緑ヶ丘で過ごすのもあと残り一年だ。




