エピローグ
お盆が終わり、寮に戻ってきた。
その夜、美愛は由美を呼び出した。
まだ暑さの残る外で美愛はゆっくり昔の話をする。
いじめられ、いじめ返したこと。
その相手が自殺未遂をしたこと。
大阪からこちらに逃げてきたこと。
由美をいじめから助けた時に感じた罪悪感。
全部全部、洗いざらいに話した。
「……あんまり、驚いてへんな……?」
話し終えた美愛は由美の顔を見て首を傾げる。
由美は少し考えた後、苦笑いをする。
「黙っているのもよくないかな……と思うから、白状するね。……実はねスキー旅行の時、私も美愛ちゃんのこと追い掛けたの、圭くんと一緒に。それで、こっそり部屋の扉の前で話を聞いちゃったの。ごめんね……勝手に聞いて。」
「え………そうだったん……!?」
「美愛ちゃんから話してくれるまでは、知らないふりをしようって思ってて………。」
「そか………いや、まぁ聞いてたんはいいか………でも、聞いて何も思わんかった……?」
知っていたのに、由美の態度は変わっていなかった。
美愛が何も違和感を覚えないくらいには。
「うーん………正直ね、びっくりはしたの。でも、美愛ちゃんが何か抱えてるんだろうなって言うのはずっと感じてたから、それが明確に見えた感じ、だったかな。」
少し不安そうな顔をしている美愛を見て、由美は優しく微笑む。
「確かに美愛ちゃんは私を助けてくれたヒーローだよ。でも、だから美愛ちゃんのこと好きなわけじゃない。それがあったから親友になったわけじゃない。
その後に、美愛ちゃんの友達思いなところ、優しいところ、強くいようと努力しているところ、そういう大好きな部分がたくさん出来たんだよ?」
「由美………。」
「私はこれまでと変わらず、美愛ちゃんのことが大好き、ずっと友達だよ。」
そう言い切る由美に、美愛は涙が込み上げてきた。
不安だった気持ちが全部飛んでいってしまうくらいの言葉。
由美は嘘を絶対言わない。
ボロボロ泣く美愛を由美はギュッと抱きしめた。
何があっても、私は美愛ちゃんの味方だからね、と心の中で思いながら。




