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プロローグ
夏休みが始まった。
エアコンが部屋に付いているが温度設定はほとんど出来ないのでそれだけでは暑さを誤魔化せないため、扇風機も同時に回す。
夏の夕方。
まだ部屋に明るい日差しが少し差し込む中、部屋で1人でいる渡辺美愛のツインテールが扇風機で揺れる。
「そろそろ、覚悟決めなきゃあかんかなぁ………。」
ポツリと呟き、手にしたスマホを見る。
母からの『今年はどうするん?』のメッセージ。
怖くて、まだ踏み出せていない場所。
でももしかしたら、今なら………。
春に掛けられた言葉を思い出す。
『どこにも行かない』
その言葉を、頼ってもいいのだろうか……?
乗り越えられていない壁を、乗り越えるために。




