いつまでも… (part1)
屋上で一人たたずむ少女。
それは上浦 千丈だった。
雲の多い空の下で吹きあれる風。
湿気を多く含んだ気持ち悪い風が肌をなでる。
そんな中で千丈は、一年前の事件を思いだしていた…
それは今日とは打って変わって、よく晴れた日のことだった。
ガチャーン!!
…まただ。どうせまた慄が暴れているのだろう。
千丈はいつものことなのにビクビクして、怯えて布団にくるまっていた。
ガチャ!!
勢いよくドアを開けて入ってきたのは慄たった。
慄は入ってくるなり、千丈にズカズカと歩み寄り、布団を払って腕を強く握った。
その力強さに、千丈は逃げることができなかった。
「ちょっと、慄!?」
慄は千丈の腕をつかんだまま、つり上げるようにして立たせた。そして真っ直ぐに千丈の瞳を見つめた。
「一緒にここを出よう!」
「ハァー!? なにいってんの? 私たち、まだ小4だよ!?」
「だから何だよ。」
本当に慄は小学生だろうか…千丈はよくそう思っていた。ありえない知力に、ありえない運動能力…そしてありえないことを言い出すところ。
「だってさー、何だよアイツら!! アイツらは俺らを奴隷みたいにしか扱ってねぇ…もう、こんな生活やだよ…」
「…でも、我慢しなくちゃ。おばさん達は私たち二人も引き取ってくれたのよ。」
「じゃあ、お前はこのままでいいのかよ…?」
「よ、よくはないけど…。」
「じゃあっ!!」
「でも!! でも…出てったって、何もできないよ…」
慄は言葉を詰まらせた。
そして舌打ちをして、近くにあったゴミ箱を蹴った。その姿にビクッとした千丈は、いずらくなって部屋を飛び出した…




