093 討伐2
「久しぶりだな、アレツさん」
「2ヶ月ぶりぐらいですわね! 中級治療魔術の資格、どうでしたか!?」
「おかげさまで、無事合格。といっても、実際に使ったことはないから実働は怖いな」
「人体相手にしか作用しない魔術ですものね…。練習機会なんて、ない方がよろしいかと思いますわ!」
「それは、そうだな」
「そういえば、レイピアのデザイン変えましたのね!」
「ああ。アレツさんの風魔法を見て閃いた」
「ふむふむ…。なるほど! ズバリ、風の受け皿ですわね!」
「正解だ。鍔…って言うんだっけな、持ち手と刃の間にあるやつに、風の受け場所を作った。これで突きを加速させられる」
「鍔…。刀で使われる名称ですわね。レイピアなら、ガードと言われています」
「…職人との仲介をしてくれたガレスさんに、感謝しないとな」
草を分けながら、平原を進んでいく。魔物がほとんど狩り尽くされてる。
…まぁ、学生の小遣い稼ぎにしてはピッタリの仕事だからな。それに、平和なのは実に良いことだ。
「しかし、腕や肩に負担がかかりませんか?」
「…え? ああ、風の突きについてか。とりあえず、多少は許容することにした。あくまで、いざという時に使える奥の手ってやつだ。
中級の治療魔術があるから、多少無茶しても大丈夫だがな」
「お身体は大切にすべきですわ…」
「ナイスですわ! フェドさん!」
「ああ、アレツさんも」
お互いに色々考えたが、作戦はそのままでいくことに決めた。捻挫しても治せるし、動きを複雑化するのも問題だと感じたからだ。というか、これが現時点での最適解だと思ってる。多分、アレツさんも。
それでも、アレツさんはめちゃくちゃ反対した。なんとか説得したが、すごく強情だった。
「…しかし、私もハンマー以外の手を考えないといけませんわね」
「そうか? まだ訓練中なら、今は習熟を優先しても良いと思うが」
「それは正しいと思います。…ですが、お友達に負担を強いることは、間違っていますわ」
「負担とは思ってない。…ただ、やってみたいことがあるなら、相談はしてくれ。それを組み込んだ作戦を考えつくかもしれないし」
「ええ、もちろんですわ!」




