078 上位クラスのティナ
上位クラスに入って大体3ヶ月が経った。最初のメンバーとは顔ぶれがけっこう違うけど、ラヌ君の首位は誰も崩せていなかった。
悲しいことに、私はこのクラスで一人ぼっちだった。サテファ先生がたまに話しかけてくれるけど、それ以外でクラスメイトと話す機会は本当になかった。
…でも、意外と苦しくはなかった。
むしろ、中位クラスよりも引き締まったこの空気が、頑張ろうと思わせてくれる。サテファ先生も、授業での訓練中に的確なアドバイスをくれる。
何より、みんなが来てくれるんだ。だから、私は上位クラスで生き残らないと。
「あー、ティナ・レイベルさん。ちょっと聞きたいことがあるんだが、良いか?」
「ラヌさん? えっと、良いです、けど…」
「悪いな、あまり時間は取らせないから安心してくれ。
…ぶっちゃけ、フェドとはどうだ?」
「フェド君? …えっと? 友達? …ごめん、えっと、どうって、どういう?」
あー…いや、これ、言って良いのか? みたいなことを、ぶつぶつと呟いている。…私、どうすれば良いんだろう。
「…すまん! やっぱし今のなしだ。忘れてくれ! 本人に直接聞こうとするのは、あまりに無粋がすぎるって話だ。俺はどうかしてたぜ!」
くるりと後ろを向いて、机の方に戻っていく。…一体、何だったんだろう。
フェド君と、どう、か…。あっ、師匠としてどうか、って聞こうとしてたのかな。それなら、私、ラヌ君の意図を汲み取れてなかった。
…もしかして、私のコミュニケーション能力って成長してない?
「よぉ! 師匠の弟子さん! お互い話すのは初めてだな! 俺は最近3位に落ちた、最初の炎炸裂弾使い! 今後はライバルとして、よろしく!」
…あの時も、返事する前に席に戻っちゃったし。…うーん、会話ってむずかしいな…。
お昼休み。一階から屋上までの微妙に長い階段を、軽々と駆け上がっていく。
最近、トーナちゃんは元気がなかった。試験勉強で行き詰まってたみたいだけど、無事に解決したと本人から教えられた。
今日は、みんな一緒にご飯を食べれる。
「待ってたよ! ティナ!」
「…待ってたよ! トーナちゃん!」




