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060 左腕
「…楽しかったなぁ。うん、学院ってやっぱり良いな。みんなといると、最高だ。友達って、良いな」
1人の部屋。一瞬、嫌な記憶が頭をよぎった。それを振り払いたくて、言い聞かせるように呟く。
無くした…というと、語弊があるかな。左腕があった場所を越えて、右腕で左の脇腹を強く締め付ける。
…これは、ちょっとダメかもしれない。
私は気づいてしまった。ぷらぷらと揺れる左腕は、はたして治療できるものなのか?
もし、そうじゃなかったとしたら。なんなら、残したままだと人体に悪影響なのでは?
例えば、腐ってしまうとか。その場合繋がってる体の方はどうなる。
だから、やるしかなかった。…せめて、私以外の誰かが居れば、頼めたのに。…いや、人にやらせるのはそれはそれでどうかって話か。
正直、あんまり痛くなかった。なのに、涙は止まらなかった。震えが止まらなかった。
枕を強く抱え込む。…苦しい。仕方ない、明日はロアに全力で甘えよう。だから、この夜はなんとか乗り越えよう。




