057 旅の終わり
「…えー。そう言われても」
「会話がしたいんでしょ。だったら、苦しい時もちゃんと言えばいい。あたしじゃなくても良いけどさ」
「だから、苦しくないんだって。みんながいて、来てくれて、だから、幸せなんだ」
これは、実際嘘じゃない。だから、通るって思ってた。
「…抱えてるものをさらけ出しても、大丈夫。むしろ、変な気遣いされる方がやりづらい」
「気遣いって…」
「今のトーナは、牛串摘み食いとか絶対しないでしょうね」
「そりゃあ…」
異様な納得感。やらないって、口から出そうになった。そう思ったのは、怒られたからではないと気づけた。
「…時間が経ったら治るものじゃないの? こういうのってさ」
「それなら、良いんだけどね。そうは見えないから、あたしはここにいる」
「…具体的にさ、どうすれば良いと思う? 全部ぶちまけるのは、ちょっと嫌というか」
「気づけたなら、あとは素直に、一緒にいれば楽になるって言えばいいと思う。トーナの演技力は普通だったってだけの話だし」
「そんな下手だったかぁ…私」
「もっと下手だったら、もっと話は楽だった。…珍しく褒めたつもり」
ロアにしては、結構雑なパスだった。だけど、ランキング表と、ちょっとした苦しさを思い出した。
「…なら、よし!」
「いやよかねーよ」
「ノリツッコミにしては早すぎる」
「やかましい!」




