045 修行
7月終わりの試験結果。
23位 トーナ・パーナ
24位 フェド・アルネス
27位 ティナ・レイベル
35位 ロア・アルネス
8月に入った。2週間の長期休暇があるので、ここはそれを満喫…。
…というタイプでないもので。
「ついに、約束なしで全員揃ったぁ!」
「5日目、早かった」
「…ねぇ、フェド君いつも居るよね?」
「まぁ、訓練は大事だからな」
「お前らなぁ、ここは訓練室だ。青春室じゃない」
「良いじゃないですか! 青春楽しい!」
「やかましい。…まぁ、鍛錬を怠らないのは良いことだ。あと、フェドは皆勤賞だ。褒美はいるか?」
「あるならもらいます」
「そんなものない」
「えぇ…」
明日から二日間、訓練棟に軽い改装工事があるらしい。…さて、どうするか。
「良い機会だ、お前は少し羽を伸ばせ」
そうだ、アルネス家に顔を出しておこう。
「やぁ、フェド。手配していたもの、部屋に置いてあるぞ。
ロアも、おかえり」
ロアは、隣で小さく頭を下げた。
「ただいま、父さん。ありがとうございます。このご恩は、いずれ」
「なに、息子の珍しい頼み、叶えられなくてどうする」
「…おいおい、こんな上等なものだとは聞いてないぞ」
部屋に置かれていたのは、レイピア。正直、すぐに折れてしまうだろうと思っていたので、可能な限り安いやつと頼んでいたのだが…。
「こりゃ、ちゃんと訓練しなきゃな」
「また、武器を使おうとしている。フェド様、貴方の目的をお忘れなく」
刺突を躱されて、腹に木刀を打ち付けられる。…痛い目を見て、体で覚える。確かに、合理的だ。しかし、ここまで痛くする必要はあるのだろうか。
「あくまで近づかれた時の、対処。隙があれば突く、なければ牽制」
「よろしい。次、構え!」
声に合わせて、脳の切り替え。戦闘モードと、考察モードをごっちゃにしないように。
剣の師匠が、鋭い足捌きで懐へ潜り込んでくる。
「…ッ!」
左から右へ、腕を伸ばした薙ぎ払い。しかし、焦りによる行動を見切られた。拳ひとつ分の間合いで、あっけなく避けられる。
木刀、一閃。
「あでッぇ!」
「腰が引けている。相手が戦える魔族なら、ちゃんと気づきます」
「うぐ…はい」
「一度、休憩を取りましょう。治療魔術で回復を」
両者、剣を置かない。
「そうですね」
師匠から目を外す。瞬間、木刀の一閃。
「こんのぉッ!」
かち合う。師匠の横薙ぎ。一点読みを通したので、わざと足を浮かせて弾き飛ばされるように跳躍。
空中、腕を構えて着地。着地の衝撃で視界がぶれ、確かに捉えていた師匠を見失う。
「あだぁっ!」
「良き、一手でした」




