035 看破
「フェド君、トーナちゃん。改めておめでとう」
「えへへ、もっと褒めてもいいよ、ティナ!」
「40位あたりから、23位と24位。よく頑張った。…入れ替え試験まで、もう少し」
「ふふん。次こそは届かせるよー」
「ああ、そうだな」
「2人の様子がおかしい?」
「少なくとも、フェドはおかしい」
「フェド君が? …うーん。いつも通りにしか思えない…。どうして、そう思ったの?」
「あいつなら、24位にもっと喜ぶはず」
「そうなの? …あんまり、そんなイメージ湧かないな…」
「狙い通りの順位だったって、言うはず。なんなら、ちょっと点取りすぎたって言っててもおかしくない」
「…??」
廊下でロアちゃんを見かけた。いつも教室にいるか、フェド君かトーナちゃんと一緒にいる。なので、ほんの少し珍しいと思った。
…だからって、これじゃストーカーだ。でも、行き先が本当に分からない。職員室でも、おトイレでもない。
「学長室…?」
「さて、どういった用件かな。ロア・アルネスさん」
「単刀直入に聞きます。点数か、順位の操作をしていますね」
「…ほう?」
まるで、全く心当たりがないと言いたげな反応。少し、考え込むそぶり。
「一体、何を見てそう思ったのか。聞いてもいいかな?」
「彼らの曲芸は、もっと評価されていい。内容を知っていて、曲芸の項目のことも、あたしは知っているつもりです」
「…待て、誰のことを言っているか。まずはそこからだろう」
浅い鎌掛けには引っかからない。…いや、鎌掛けを警戒しているからこその質問じゃないか? これは。
「誰のことを言っているか、予想ぐらいはつくでしょう」
「勘違いが起きては良くない。そう思わないか?」
…沈黙。また、考えるそぶり。
「…フェド・アルネス君。で、合ってるかな?」
「トーナ・パーナもでしょう?」
少し、止まる。分かりやすい動揺はない。だが、やはりあたしにはこちらに見せないようにしている風にしか見えない。
「…ほう、こちらが2人に嫌がらせをしたとでも?」
「それは知りません。そんなことより、こちらの疑問がまだ解消されていない。曲芸の評価が明らかにおかしい。それについて、答えてください」
「それは、サテファ先生に聞く案件じゃないかな? 曲芸の採点は彼女の担当だ」
「まるで、用意してた回答ですね」
「まさか」
…沈黙。また、考えるそぶり。だけど、さっきまでのそれと性質が違って見えた。
「もし、だ。私には予定があるので、ここで切り上げさせてもらう。…と言ったら、どうする?」
「学院が、なんらかの不正を行っている。そう、生徒か教師に相談します。サテファ先生以外の」




