36/132
036 距離
「もしかして。聞いてた?」
「なっ、何を、でしょう、か?」
「…分かりやすいね、ティナは」
ベッドに身を放り投げる。シワになっちゃうのに、体が起き上がらない。
「…すご、かったなぁ」
扉越しだから、全部聞こえていたわけじゃない。でも、学長は手強い人で、ロアちゃんも負けてなくて。
元々は、フェド君とトーナちゃんの策略で。
私は、何にも気づけなかった。
「あの2人だと、意地でもしらを切り続ける。学長を攻めるのが確実だと思った」
だとしても、偉い人相手に問い詰めるようなことは、できないよ。…少なくとも、私には。
みんな、すごいな。
「そういえば、炸裂弾の調子はどうだ?」
「えっ、あ、うん。その、あんまり、良くない」
少し、寂しそうな顔。その意味を、私はちゃんと理解できているのだろうか。
「…そうか。ごめん、あんまり協力できてなくて。何か力になれればと思うんだが…」
「フェド君が、謝る話じゃないよ」
「そう、か。何かあったら、いつでも頼ってくれ」




