↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人魔の世界  作者: 道草ノ跡
スーベル魔法学院編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/126

033 研究発表会

「あー、今日は試験の最終日。つまり、他に二種目の点数はあらかた出揃ってる。その上で、私が採点だ。分かったな。フェド、トーナ」


 それは、とてもわかりやすい合図だった。点数の調整は私の担当だと、暗に示している。

 先にお前からやれと、サテファ先生はこちらをチラリと見たので、いつもの的を立てて、距離を取り宣言する。



「フェド・アルネス。炸裂弾の弾道を曲げて、標的に命中させます」


 試験官は、小さく笑った。


「…ほう。やってみせろ」



 仕組みは簡単だ。コーティングの圧力に差をつける。曲げたい方向へ、一定の力をかけ続けるよう設定する。

 俺の支配から外れた後も、単純な風の動きならしばらく残る。なら、飛んでいる間ずっと横から押してやればいい。

 速度を速くしすぎると曲がり幅が狭くなるので、発射台は打ち出し方向の制御だけに留めて、風魔法で押し出す。


 想定通り、弧を描く動き。弾速自体あまり速くないため、サテファ先生にもちゃんと見えるはず。


 的は、ちゃんと粉々になってくれた。支柱を残して。

 威力も、申し分ない。炸裂の風を弄る必要は全くなかったから。



「…まぁまぁ、だな。正直、もっとすごいものを期待していたが。

 だがまぁ、ギリギリ曲芸と言ってもいいだろう。そして、技としてもちゃんと良い。風は見えづらいから、曲がるのは実用性ある。


 …まいったな、これじゃまるで研究発表会だ。曲芸の趣旨とズレる。

 まぁ、"効率"よりははるかにマシだが」


「ともかく、十分だ。学長に礼を言っとけよ、フェド」





 こほん、と一つ咳払い。

 順番が後ろだったのは、持ってるとしか言いようがないね。


「そんなにアピールせんでも、ちゃんと楽しみにしていたさ。トーナ、君は何を見せる」



「曲がる炸裂弾を、的に命中させます!」


「…おいおい、それはないだろう」



 ちっちっち。甘いなぁ。フェドのそれとは、ギミックが違う。



 実践して見せた方が早い。立てといた的の、ほんの少し左隣を狙う感覚で。炸裂の風と発射台の出力は、いつも通り。

 だけど、打ち出しとコーティングに細工をする。


 それは、ほぼまっすぐ飛んだ。


 ここだろう。指をパチンと鳴らす。それと同時に、ググッと、弾が右へ食い込むように曲がった。

 練習通り、想定通りの動き。


 それは、ど真ん中より少し右に着弾した。



「鋭い、変化弾か。フェドのそれとは、性質が違って見える」


「お望みとあらば、ゆるい変化でもいけますよ!」



「…フェドのギミックは、あらかた分かった。圧力だな。コーティングの圧力に偏りをつくり、弾が曲がるように設定した。

 しかし、お前のはどうやった。まるで分からんぞ」


「囲い…。えと、コーティングに空気の引っ掛かりみたいなのを作りました! そんで、打ち出しの時、弾に強めの回転を加えた。みたいな感じです!」


「それで、曲がるのか。…いや、確かに曲がるかもしれない。しかし、じゃああの指パッチンは一体?」


「演出です!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。