019 下位クラス
「えー、下位クラスを担当する。コルだ。よろしく」
事務的な人、という表現が合っているだろう。
「色々と話すべきことはあるだろうが、まず20分の時間を取る。クラス交流は大切だ」
「要するに、下位同士をただ傷を舐め合う関係で終わらせるつもりはない。ということだ。そのつもりで」
「じゃあ、最下位。ロア・アルネス。下から順に自己紹介だ。他の者も準備しておけ」
立ち上がる。視線が一斉に集まる。
となりの女子はこちらを見上げつつも、どうにも状況を飲み込めていないようだ。
「魔術使い、ロア・アルネス。よろしくお願いします」
軽くお辞儀をしてから、着席。視線は少しずつコル先生へと向く。
「次、99位。トーナ・パーナ」
やっべ私じゃん。まさかの下からワンツーフィニッシュ。
そう小さく呟いて、となりの女子は立ち上がる。
「風魔法使い! トーナ・パーナです! …あー、よろしくお願いしまっす!」
ひぇーこわぁーと、座る動作中に口から漏れる。賑やかな人だ。
「ロア・アルネス! とんでもなくクールなやつ!」
「耳が痛い。もう少し静かにできない?」
「ごめんよ、ロア・アルネス。通いだったりする? なら一緒に帰ろうぜー?」
「ごめん。私、寮。貴女、通いだったの」
「新事実! 授業始まって5日目にして、牛歩すぎないかちくしょう!」
「声」
「ごめんて。ロア・アルネス」
「ロアで良い」
「じゃあ、ロア。…そうだ、寮までエスコートするよ。これなら文句なし。私天才」
「…魔術の訓練するけど、貴女も来る?」
「訓練場かぁ…。まぁ、うん、行くかぁ…」
「そういえばなんだけど。なんで魔法使わないの? 縛りプレイ?」
「遊びじゃないんだから、わざわざそんなことしない。使えなくなったの」
「えっ、そんなことあるの。こわ…」
土、炎、水の三種を使った弾丸を発射する。
「…ごめん。聞いちゃいけない話だった」
「当たり前の疑問でしょ。気になるのは間違ってない」
…ほんと、変なやつだなぁ。と呟いた彼女は、口角を上げる。
「私も、ちょっと練習しようかな。となり、良いかな?」




