↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人魔の世界  作者: 道草ノ跡
スーベル魔法学院編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/132

018 弟子

「あー、俺はラヌだ。気楽にって空気じゃないな。そうだな、首席として」


「いや、好きにやっていい。学長直々の許可だ」


「無茶な注文すぎない? …そうだなぁ。


 …改めて、ラヌだ。魔法なんてろくに修行したことないし、記念受験と思って受けたら首席だったぜぇい、ひゃっほー…。

 あーすげぇやりずれぇな。まぁ、天才ってのはどの世界にもいるってことで、俺みたいな外れ値にも親切してくれると嬉しいぜ。

 今、不快に思ったやつは、さっさと俺を超えてみろ! 以上!」





 …ああ、最高の踏み台だぜ、ラヌ。そう思ったやつが俺以外にもいると信じたい。






 今日は授業なしで解散。訓練室に空きがあれば、いつでも魔法の訓練をしてもいいと言われた。

 …せっかくだし見に行きたいところだ。しかし、流石に20位の子…えーと、確か、ティナ・レイベルを放置するのは寝覚めが悪い。





 スタスタと、俯きながら廊下を歩く彼女に、俺は普通に走って追いつく。校則違反だろうが、そんなのいちいち気にするのは馬鹿らしい。


「おーい、ティナ・レイベルさん」


「あっ…えっと、フェド君、だっけ。ごめん、家名覚えてなくて…いや、あの、次席なんだよね、すごいな。私なんて、ダメダメで」


「待て待て、実際の魔法も見ずに、そう断定するには早すぎるだろう」


「…そうなの? でも、ランキングでは」


「ランキングだけでは測れないものもある。第一、俺はまだティナさんの魔法属性すら知らない」


「…あれ、自己紹介のと、き……」


「それは思い出さなくていいから」








「炎使い、か。それなら、助言できることがあるかもしれん」


 一緒に訓練場に来たのは、ティナからの申し出があったからだ。

 "訓練、考察の時間は誰にも負けていないと自負している。"

 彼女は俺の自己紹介をちゃんと覚えていたようで、貴方の意見を聞きたいと、まっすぐな目で頼んできた。


「本当に?! 実は、威力の出し方が分からなくて…。水魔法のお母さんも、お父さんも、炎についてはよく分からないって言ってたから。本当に困ってて」



「そんな泣かなくても…。あー、出力自体は結構ある。制御も安定してる。努力したんだなってわかる。才能でいえば、俺よりよっぽどある」


「…そうなの? じゃあ、フェド君は一体どうやって、次席まで辿り着いたの? 早撃ちと、遠距離射撃の練習?」


「それもあるが、例年通り威力は青天井で評価される仕組みだった。流石に完全に捨てるわけにもいかない」


 実演した方が早いと思った。試験の時と同じ条件の的があったので、それ目掛けて13秒弾。



「炸裂する風。それを風でコーティングした弾だ。弱点はいっぱいあるが、威力は保証する」


「…すごい。えっ、でもどうして? こんなにすごい魔法、なんでみんなは使わないの?」


「性質上、炎と風でしか使えないからだ。炸裂弾ってのは、圧縮したものを一気に崩壊させて爆発を起こす。水も土も、それには不向き。

 その上、炎はもとより結構火力がある。だから、わざわざ練習しようとは思わない」


 すごく納得したような顔。だが、あと一歩踏み込めていない領域がある。

 彼女はすでに、威力で伸び悩んでいる。まだ伸びる余地はあるだろう。だが、今の延長では、周囲に抜かされないようにするだけで精一杯だ。

 …流石に心苦しい所はあるが、それでも言わなければならない。


「間違いなく、俺よりは才能がある。だが、それだけだ」


 それでも、表情は崩れなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。