125 レイベル家
「フォン・レイベル。ただいま帰還しました」
「改めて、よくぞ帰って来た。…すまないな、凱旋の気分にはなれないだろうに、民衆に合わせてもらって」
「…いえ。忘れないうちに、土の国からの手紙です。あちらは王政なので、王からの手紙ということになります」
気品は捨て去っていない。だが、わかりやすくいそいそと手紙を開く。
「…ふむ。やはり、魔族の活発化はこの辺りだけの話ではないということか。
炎の国も、同様だと? 先を越されたか、数だけが自慢の奴らに」
「大佐、公式な場ですよ。
それに、こちらの方が情報を多く手に入れられたことになる」
「…ああ、そうだな」
呟いて、コーヒーを飲む。咳払いして、続ける。
「この件は公表する。無理な情報統制は事故の元でしかない。それに、これは遠征の戦果だ。隠すのは粋ではない」
格式が高そうな人らは、皆その意見を否定しない。
「ありがとう、ございます」
「時間を取らせたな。残りは受け取った報告書で確認する。
一度、家族のもとへ帰るといい」
ガチャリと、ドアが開いた。
「お母さん! お帰りなさい!」
「おかえり、フォンさん」
「ただいま、2人とも。…ごめんねぇ、ちょっと疲れが溜まってて。スパイシーないい香りがするし、ご飯はいただくけど、すぐに寝ちゃうかも」
「あっえと、それならデザート! 順番変だけど、冷えたプリンがあるよ! カレー温め直すから、ちょっと待ってて!」
台所まで、ティナは駆けていった。
「先にいただいたが、ティナの料理、いつの間にかずいぶん美味しくなっていたよ。
…ほんとうは、僕ももっと家にいたいんだけどね。自分で選んだ仕事とはいえ、歯がゆいものだ」
「ほんとうに、そうだねぇ」
「湯船、浸かれるかい?」
「体は水魔法で洗ってあるの。なので、すぐに寝転がれちゃいます」
「仕事が早い。…ほんとうに、お疲れ様」
「とっても、頑張りました。…あっ、すごく美味しい、このプリン」




