123 恋バナ
「おかげでよく眠れた。ありがとう」
「別にいいよ。…むしろ、あたしの方こそ、感謝してる。その、ありがとう」
「感謝されること、なんかしたか?」
「分からないなら、いい」
「…俺は割と良くないんだが」
「えー。そんなに聞きたい?」
「ずいぶんと勿体ぶるな」
「寝顔、可愛かった。めっちゃ面白かった。大爆笑」
「…二度と部屋に入れてやらねぇ」
「ぶっちゃけ、いつから起きてたん?」
「マジの寝起き。膝裏くすぐったいなあって思って目を開けたら、フェドと目があった。
いやぁ、何されてたんだろうねぇ! あたし」
「なんか、なんか、すごくロアちゃんが大人っぽく見える!」
「ふふん。ひと足先に、大人の階段を登って来ちゃった!」
…絶対フェドにそんな度胸はないと思う。というか、ガチセクハラだったら、それはそれでどうなのって話になるのでは? …とは、言わないでおいた。
結構生々しさを感じる話だけど、聞いてるティナは喜んでる。ロアも、すごく楽しそうに話してる。
今年17の私、トーナ・パーナ。正直、そのノリについていけない。
…それはそれとして、賑やかし担当としては逃げたくない。
「いやぁ、彼氏の部屋でお泊まりかぁ。流石にキスぐらいはできたよね」
「あー。うん、した…よ?」
「顔赤い! えっ、マジでやったの?! とうとう! というかなんで疑問系?!」
「あ、ふぁ…」
「ティナが許容範囲超えた! というか決定打キスかよ!」
…この子、さては色々と知識足りてないな。純粋すぎて、誤魔化すような言い方をしたロアの話をちゃんと理解できてなかった。
…なんかすげぇ安心した。
「…で、結局どっちから行ったん?」
「えーっと、ティナがキャパオーバーしちゃったみたいだし、ここで切り上げない?」
「ティナが聞いてない今こそが、チャンスでしょ。ほら、白状しな!
というか、こちとらまぁまぁ生々しい雰囲気の話くらったんだ! こういう分かりやすい話の方が、好物なのに!」
「そう言われても…」
「あーフェドに伝えようかなぁ! どうやったら恋人っぽいことできるかなぁって、恋愛経験なしの私たちにわざわざ聞きに来たこと!」
「ばっか! 絶対言わないで!」
「じゃあ、ほら、白状しなさい」
…観念したように、大きくため息。頭を掻いたせいで、丁寧に手入れされた髪が少し乱れた。
恐る恐るというか、それこそ告白でもするかのような雰囲気で、こう言った。
「寝てるフェドに、その…」
「ああ、もう、わかった。…しょーもない」




