122 寝起き
目が覚めたとき、何かが顔を覆っていた。柔らかい感触、毛布だ。
日差しが毛布越しに暖かく突き刺してくる。
顔のそれをどけて、ぼーっと周りを見渡す。
朝とは明確に光の入り方が違う。もう、お昼過ぎのようだ。
…目覚まし、鳴ってないな。多分、ロアが止めておいてくれたんだろう。
そのまま寝てしまいそうだったので、体を起こす。
隣には、ロアが寝転んでいた。
いつ寝たか分からないが、とりあえず彼女をベッドまで運んでおくか。そう思って、膝裏に左腕を通してから、気づいた。
片腕じゃ、運べないな。
…なんか、色々と昔に戻った気がしてた。
教会で、2人同じ部屋で暮らしてた時。寝る直前まで2人で話して、布団で寝れば良いのに、一緒に床で寝て。
それで、確か秋頃。ロアが布団の洗濯をやらなくなってから、少し経った時。前の日よりかなり冷え込んだ朝、ロアが先に起きた。
床で寝たはずなのに、布団で目が覚めた。
ロアに聞いたら運んだって言われた。
その日から、先に起きた方が布団に運ぶというのが、お互いの普通になった。
…今にして思えば、週に一度しか洗濯してなかった俺の布団に寝かせるのは、色々とどうなのって話ではある。
「…おはよ。朝からセクハラ?」
急に話しかけられたので、つい飛び退いてしまった。
「断じて、セクハラではない。…その、おはよう、ございます」
「目を逸らした、やましいことあったんだぁ」
「違うって。…多分」




