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人魔の世界  作者: 道草ノ跡
スーベル魔法学院編

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122/132

120 生物

 爆発音は、かなり大きかった。6秒の爆発かな。

 風魔法の訓練でいっぱいいっぱいに見えてたけど、ちゃんと頑張ってたんだ。


 フェドは兵たちの方へ、壊された土壁の方へ走り出す。風魔法を背に受けた全力疾走。さっすがだね、…あたしもついていかないと。


「…フェド!」


 音と、土煙が消えていく。爆発をモロに喰らった魔族は、まだ立っていた。丈夫すぎだろ!


「なんだ、いまの」


 そんな呟きをした魔族に、フェドは飛びかかる。無防備なそいつの側頭部へ、レイピアを突き刺す。

 刺したレイピアをそのままに、走り抜けるように距離を取る。あたしたちは、魔族をじっと睨みつける。


 魔族は刺さったレイピアを引き抜きたいのか、片腕を側頭部に近づける。

 しかし、空振り。怒っているようにも、悲しんでいるようにも聞こえるうめき声。諦めきれないのか、両手で引き抜きにいく。途中で、全身の力が抜けて地に倒れた。




「2人とも! 無事で、ほんとうに何よりだ!」


 魔族2匹をぐるぐるに縛りつけた兵士3人が、笑顔で出迎える。


「すみません、でかい魔族、生け取りにできませんでした」


「いいさ、いいさ! あいつを捕らえておくのは大変そうだし、雑魚2匹はこっちでちゃんと捕まえた」


「雑魚とはなんだ!」


「…こわい」


「なぁ、口も縛っとこうぜ。なんか腹立つし力が抜ける。こいつらの言葉」


「戦争相手には、クズであってほしいよな…」


 フェドは大きく息を吐いた。その分を取り戻すため、息を吸った。

 そして、呟くように質問をした。


「すみません、魔族に一つだけ聞きたいことがあって。いいですか?」


「ああ、構わんさ! …もちろん、答えてくれるかはこいつら次第だが」


「なんだよ! 俺たちに会話が必要か?!」


 怒りっぽいやつが、フェドに対してそう叫ぶ。


「あんたのお仲間は、俺が殺した。…どう、思った」


「…その、ぼくたちだって、いっぱい殺しました。おあいこ、だと思います」


 オドオドとした方が、そう答えた。


「…ケッ!」


 怒りっぽいやつは、そう言って地面を睨みつけた。

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