116 作戦開始
軍から寮への帰り道。俺は作戦の内容を脳内でまとめていた。
難しいことは一つもなかった。わざわざ頭の中で整理する必要があるほどでもない。
ただ、命がかかれば、一挙手一投足の意味さえも求めたくなってしまうもの。というだけだ。
「フェド、聞いてる?」
「ごめん、ちょっとぼーっとしてた」
「…ほんとに、参加して大丈夫なの?」
「ああ」
うまい理由は出てこなかった。俺は、どうして参加しようと思ったのだろうか。
「ほんとに、大丈夫?」
「ああ。…多分、使命感に近いのかな。参加する理由」
「それで死んだら、あたし怒るからね」
「そんなつもりはない」
人の通りが少なくなって、俺たちの足音が大きく感じた。
「ロアは、なんで参加するんだ?」
「…なんでだろ? ひょっとしたら、フェドとおんなじかもしれない」
「二人ほしいってサテファ先生が言ったとき、トーナの顔が浮かんだろ」
「…まぁ、それもあるかな」
1つ、ロアは大きなため息。そのわけは、聞いてほしくなさそうに見えた。
「作戦…と言えるほど大層なものではないな。話はちゃんと頭に入っているか?」
「はい、隊長さん」
ロアの方もちらりと見た彼は、小さく頷いた。彼だけは全身を覆うしっかりとした鎧だ。
作戦中の装備は自由だったが、彼はそのまま戦うことにしたようだ。いや、自由だったからこそなのかもしれない。
…やはり、ガチャガチャと音を立てるそれは、風の機動力とは合わないだろう。貸し出しは可能だと念押しされたが、断って正解だったと思う。
ロアも同様に軽装備だ。理由は聞いてない。
隊長についていく形で、合計26人は門へと歩みを進める。周囲の住民はなんだなんだとこちらを眺めている。
「よし。学生2人を中心に、脱ぎやすさ優先の試作の鎧を着ているやつは森側、軽装備のやつは国側で円の陣形だ!」




