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「報告! 炎魔法を使える兵士を二隊に分け、森の別地点へ送りました。片方の隊は担当区域の焼却に成功しましたが…。
その、もう片方の隊は、全員戦死しました」
「望遠魔術で様子を見ていたのだろう? そこからの情報は何かないのか」
「…隊の周りが霧に覆われて、観察は困難でした。霧が晴れた時には、全ての兵が血と共に倒れていました。
敵の正体がほとんど掴めていなかったので、救援には行かせていません」
「…面倒なことになったな。霧を発生させる魔術は存在しないよな?」
「少なくとも、魔術管理局ではそのような魔術の存在は認められていない、とのことです」
「…断定はしないが、魔族と考えて動くべきだな。霧を出す個体以外についての情報は、あるか?」
「一つだけ、あります」
「ぶっちゃけ、ロアとはどうなん?」
「どうって、またふわっとしてるな…」
訓練室での休憩時間。今日はロアとティナが不参加だからこその質問なんだろう。
「その、なんといいますか…。関係が変わってから、可愛く見える瞬間が増えた気がする」
口から出て、それは感情が出てくるようになったからではと自問する。
間違ってはいない。
それでも、端正な顔立ちで、まっすぐにこちらを見てくる彼女を思い出す。あの時の可愛さも確かにあったんだ。広義の意味とは少しズレがあるかもしれないが。
そして、俺はその変化も含めてロアだと思えている。だから、それで十分なはずだ。
というか、変化を否定するなら幼馴染を相手に選ばない。
「いいねぇ! そういうのが聞きたかった! ロアはのらりくらりとかわすせいで、聞き甲斐がないんだよ…」
「…ロアは、その会話も結構楽しんでるぞ。トーナが良ければ、今後も付き合ってやってくれ」
「しってるし、これからもそうする。たまに照れるの可愛いし。
それにしても、けっこう俗っぽいというか、素朴なやつだよね、ロアって。…最初会ったときは、想像つかなかったな」
「素朴?」
「素朴でしょ。…素朴だよね?」
「…まぁ、見た目や魔術使いとしての印象と比べると、そうか」
「そう、そういうことが言いたかった!」




