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人魔の世界  作者: 道草ノ跡
スーベル魔法学院編

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114 転

「報告! 炎魔法を使える兵士を二隊に分け、森の別地点へ送りました。片方の隊は担当区域の焼却に成功しましたが…。

 その、もう片方の隊は、全員戦死しました」


「望遠魔術で様子を見ていたのだろう? そこからの情報は何かないのか」


「…隊の周りが霧に覆われて、観察は困難でした。霧が晴れた時には、全ての兵が血と共に倒れていました。

 敵の正体がほとんど掴めていなかったので、救援には行かせていません」


「…面倒なことになったな。霧を発生させる魔術は存在しないよな?」


「少なくとも、魔術管理局ではそのような魔術の存在は認められていない、とのことです」


「…断定はしないが、魔族と考えて動くべきだな。霧を出す個体以外についての情報は、あるか?」


「一つだけ、あります」





「ぶっちゃけ、ロアとはどうなん?」


「どうって、またふわっとしてるな…」


 訓練室での休憩時間。今日はロアとティナが不参加だからこその質問なんだろう。


「その、なんといいますか…。関係が変わってから、可愛く見える瞬間が増えた気がする」


 口から出て、それは感情が出てくるようになったからではと自問する。

 間違ってはいない。

 それでも、端正な顔立ちで、まっすぐにこちらを見てくる彼女を思い出す。あの時の可愛さも確かにあったんだ。広義の意味とは少しズレがあるかもしれないが。


 そして、俺はその変化も含めてロアだと思えている。だから、それで十分なはずだ。


 というか、変化を否定するなら幼馴染を相手に選ばない。


「いいねぇ! そういうのが聞きたかった! ロアはのらりくらりとかわすせいで、聞き甲斐がないんだよ…」


「…ロアは、その会話も結構楽しんでるぞ。トーナが良ければ、今後も付き合ってやってくれ」


「しってるし、これからもそうする。たまに照れるの可愛いし。

 それにしても、けっこう俗っぽいというか、素朴なやつだよね、ロアって。…最初会ったときは、想像つかなかったな」


「素朴?」


「素朴でしょ。…素朴だよね?」


「…まぁ、見た目や魔術使いとしての印象と比べると、そうか」


「そう、そういうことが言いたかった!」

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