113 2週間後
「2週間捜索したが、行方不明の学生は見つからず、か」
「学院への討伐依頼はどうしましょうか」
「このまま停止だ。魔族…でなくとも、森に何かが潜んでいる可能性が高い」
「了解しました」
頭を深く下げた兵士は、その部屋から出て行こうとする。
「…待て。炎魔法を使える兵士に、森を焼かせろ。北と南両方だ」
「森を、ですか」
「一年ほど前、魔物を利用した襲撃を受けた。起点は森だった。
このまま討伐を打ち切れば、増え続ける魔物を再び利用される。そうなれば、また大きな被害が出る」
「しかし、森を燃やせば、薬草や木材が足りなくなってしまいます」
「…長期的に見れば。な」
炎の炸裂弾が支柱をへし折って的を吹き飛ばす。衝撃と光、遅れて熱風。
吹き飛んだ的も、支柱も、この世から消え去っていた。着弾地点に近い土の地面に、火がついていた。
「その、どうでしょうか! 師匠!」
くるりとこちらに振り返ったティナは、恐る恐るといった様子で聞いてきた。
「かなり磨きがかかってる。少なくとも、今の炸裂弾で出せる威力はほぼ出し切ってる。これ以上伸ばすのは難しいだろう」
「えへへ、やったぁ」
ようやく、力が抜けたような笑顔。
「手ごたえ、なかったのか? 正直、かなりすごいと思ったんだが」
「えっ、うーん。…トーナちゃん流に言うと、フェド君はものすごく見る目があるんだよ。
だから、褒めてもらえると安心するんだ」
「そうなのか?」
「うん!」
「そうか。…まぁ、それなら今後もちゃんと褒める。ただ、自分で自分の評価はできるようになれよ。
俺が褒めなくても、ティナがすごいことには変わりない」
「…それ、フェド君が言う?」
「そんな引っかかるか? 俺は昔からちゃんとできてる側だ。…だからこそ、苦しかった時はあったがな」
「やっぱりできてない気がするよ…」




