108 友達と1
「…あれ、あたし、寝てた?」
確か、漫画を…。なんでだっけな、いや、確か、心に負担をかけて、感情を呼び起こすため。
ゆっくりと、思い出していく。けど、ところどころモヤがかかったような記憶だ。何か、おかしい気がする。
…あれ、あたし、誰かと話してた? …思い、出せない。記憶に残らないタイプの夢なのかな。
「あ、ちょうど良いタイミング。ロアちゃん、お腹減ってる?」
「うん。減ってる…楽しみだな」
声色に、魂がこもっていた。…振り返ってそこに立っていたのは、間違いなくロアちゃんだ。
泣き腫らした目と、硬くなった表情筋を、それでも自然に笑わせていた。
「…もし、かして!」
「うん。ずっと、美味しいって言ってみたかった」
「…うん! そうだ、もっと作ろうかな! もう、今日は学校休んじゃって、お花畑を見にいくのはどう?!」
「どうって…。…あり、だね」
「じゃあ、いっぱい作る!」
「ごめんご飯は十分!」
「…売り切れ、か」
「なんで、今日に限って…!」
花畑の近くに、種を売っているお店があった。ティナは、店員に詰め寄って質問する。
「あ、あの、店員さん! ニコの花の種って、在庫ないんですか!?」
「お、落ち着いてティナ、ほんとに」
「だってぇ!」
「…また、次の機会。花畑を見た、その帰りにさ。また、こよう」
「ロアちゃんがそれで良いなら…、良いけど…」
「あと、その…。…もう部屋で育ててる」
「そういう話は先に言ってよ!」
「ごめん、ごめん。そういえば、伝えたことなかったや」
お互いに、顔を見合わせる。…ゆっくりと、何かが刺激されたように、笑みが溢れる。
「また、一緒に来ようね! ロアちゃん!」
「もちろん!」
「おー! ロアとティナ! 学校来てなかったけど、どうし…。えっ、ロア、なんか雰囲気変わった?!」
「さて、どこが変わったでしょうか? 解答権は三つだよ、トーナちゃん!」
「よっしゃ! まず、髪…は同じだよな…ネイルでも…ない、目つきがちょっと柔らかくなったとか?! …違う、ああそう。
なんだよ、もう笑わないでよ2人とも!
…えっ、ロアが笑った!?」
「…ねぇ、あたし、トーナに事情教えてない」
「えっ、そうだったの?!」
「えっなに、なんの話?!」




