105 あたしじゃダメ
鬼気迫る勢いでページを捲ったかと思えば、あるページだけはじっと見つめ、目を閉じる。
…ほんとうに、大丈夫なの? と、口から漏れそうになって、つい抑える。どう見たって大丈夫じゃない。
とりあえず、棚から5冊引っ張り出した。ロアちゃんの隣に積んでおいて、一回部屋から出ておく。扉越しに、ページを捲る音と、抑えてるのか小さな唸り声。…本当に、1人にしてもいいのかな。
いや、ロアちゃんなら、きっと大丈夫。私はご飯でも作って待っておこう。ロアちゃんが美味しく食べてくれることを祈って。
…なんで、出てこないんだよ。お前じゃないと、フェドが報われないだろうが。
多分これは、ひたすら扉をノックし続けるような作業なんだ。だから、あっちが扉を開けてくれないと、どうしようもない。
ああ、本当にしんどい。もっと、楽な方法はないのか?
…自分の心の話なんだ、お前が一番分かってるだろう? もう、これしかないって。
「早く、出てこいよ!」
手遅れになるだろう。一生後悔するぞ。告白を受けるのは、お前であるべきなんだよ、ロア!
あいつの優しさに、あいつの声に、目に、苦しさに、歪さに、憧れられたことに、絆されたお前じゃないと!
あたしじゃダメなんだよ!
みんなと泣けて、みんなと笑えるあたしじゃないと、ダメなんだ!
だから、いい加減に…!
何か糸が切れたように、ぷつりと、体の力が抜けた。




