102 慰め
1人で買い食いしているフェドさんを見つけてしまいました。
少なくとも、良い気分のそれには見えなくて、放っておけないとは思うのですが…。
…さて、どうしましょうか、私が話しかけても良いのでしょうか。傷心につけ込むようなことをしてしまうなんて、悪女のすることですわ。
いえ、そもそも告白したとも断られたとも、確定してはいないではありませんか。
友達がうなだれているのに、何もしないことこそ、よくないことでしょう。
そう考えていましたのに、カレーまんを食べているフェドさんを見ると、つい邪な思いがよぎってしまいました。
まだ、諦めなくてもいいのではと。
「…フェドさん、お隣よろしいですか?」
「…ああ、アレツさん、良いよ。…その、悪いな、討伐断っちゃって」
「いえ、お気になさらず。どのみちレイピアもハンマーも特訓中の身ですから」
「…顔は、あんまり見ないでくれ」
「…はい。見ませんので、ご安心くださいませ」
「せっかくですし、ご一緒してください! 奢り、というやつですわ!」
「なら、もらうよ、ありがとう」
白い肉まんを、2人で一つずつ。
「少し、落ち着きましたか?」
「ああ、一緒にいてくれるだけで、多少楽になるもんなんだな」
「…うそ、ですわね」
「…ごめん。適当言った」
「謝る必要なんて、ありませんわ」
その気持ちは、ちゃんと分かりますから。…なんて言えたら、あなたの傷になれたでしょうか。




