15 エピローグ
放課後の、近所のカフェにて。
「目が丸くなる」って、こういうことを言うんだなぁ。
向かいに座る親友の顔を見ながら、アイスコーヒーのストローをくわえて、他人事みたいにそんなことを考えていた。
そうなった要因は、もちろん自分の恋愛相談の“顛末”なのだけれど。
「そっか。そっかぁ……」
噛みしめるように呟きながら、七瀬はにんまりと笑う。
その笑顔を見ていたら、だんだんこっちのほうが恥ずかしくなってきて、思わずストローを噛みしめた。
「いろいろありがと。……八つ当たりもして、ごめん」
「いえいえ」
ニコニコ笑う七瀬は、カフェオレのカップを両手で包みながら言う。
「でも、なんとなくそんな気はしてたよ」
「え?」
「遥さん。初対面のときから仲良さそうだったし、2人とも好みとか、なんか似てるし」
そう言ってから、七瀬はやわらかく笑った。
「美咲ちゃんが幸せそうで、良かった」
当たり前のようにそう言う彼女に、ああ、敵わないなぁと思う。
優しくて、あたたかくて、柔らかくて。
羨ましくて、憧れて、ちょっと妬ましくて——でもそれ以上に、大好きでたまらない、私の親友。
「もー……七瀬好き……っ」
「あはは、私も美咲ちゃんが大好き」
恋人ができても、もしかしたらいつか別れても。
この友情は、きっと続いていく。
——遥さんにとっての六花さんも、きっとこんな感じなんだろうな。
ふと、そんなことを思った。
本篇はこちらで一段落です。
読んでいただきありがとうございました。
もう少しだけ、「その後の話」にもお付き合い頂ければ幸いです。




