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第二話 「侵食無効化の特異体質」

「サソリとムカデのハーフ」

破壊力 :C

スピード:E

精密性 :E

持続力 :E

即死性 :C

成長性 :E

べォォォォォォォォォォン______!!!!



「……⁉な、なんだ……⁉動きが……!」

周囲の音が低く引き伸ばされたような音に変わると、まるでスローモーションの映像が映っているように様変わりした。

「走馬灯か?走馬灯は違うか……」


辺りを見渡した。するとここから飛び去ろうとしている鳥も、吹き飛ばされた瓦礫も、衝撃で揺れる街路樹も何もかもがゆっくりになっていた。

「まさか……これが俺の能力なのか……⁉」


自分でもよくわからない。だが、現に世界は俺のために足を遅くしている。

「……とりあえずだ。お前で試させてもらうぞ。少し怖いがな」

持っている剣を握りしめて一歩進む。恐怖はしている。だがどこか今を楽しんでいる自分がいた。


ギィィィン!!!!!


のめり込むように勢いをつけて思いっきり斬りかかった。

「硬すぎだろ……!」

全然切れない。まるで手刀でペットボトルを切断するようなものだ。

「弱点から探すか」

ムカデの背後に回ると周囲がいつも通りの速さで動き始めた。


すると突然視界から消えた俺を探し始め、くるっとこちらを向いた。

「俺から殺る気か」

再びムカデが動いたと思えば、俺ではなく俺の後ろにあった信号を破壊した。


(何で信号から?動いているものから狙うんじゃないのか?アイツの攻撃するキッカケとは何だ……?)


俺が剣を構えるとこちらに猛スピードで突撃してきた。再び勝手に視界が遅くなる。相変わらず体は普通に動くが、剣を構えた時に一瞬、目に光が反射したせいで反応が僅かに遅れた。


(さっき剣を渡そうとした時……信号の光……)


「なるほど……読めたぞ。お前の習性が!」

化け物は自身の習性を見抜かれたことなど露知らず、こちらに向き直った。

「おそらくお前は光に反応して攻撃するんだろう。さっき剣を渡そうとした時に剣を斜めにしていたから陽光がお前の目に入った。信号の光も同様だ」


(しかし問題は弱点がどこなのか、それがわからないと決定打には欠ける気がする)


「一応確認だけはさせてもらうぞ」

確認のため剣で光を反射させる。すると案の定ムカデは突撃してきた。

「は?」

期待とは裏腹に視界は遅くならず、俺は間一髪で避けた。


後ろにあった電柱を破壊したことで電線が千切れた。その電線が剣に巻き付き、俺は剣を握ったまま宙に留まった。剣を振るが、絡まっているため思うように解けない。だが電線に触れるわけにもいかない。


(この電線……剣に電気を流してるのか?)


剣を手前に引くと電線は「バチッ」と音を立てて剣から離れた。ムカデがこちらに向かってサソリの尾で刺そうとしてくる。

目の前に命の危機が迫っていても関係ない。アドレナリンが俺を支えてくれる。


「食らえーーーーーッ!!!」


渾身の力で頭に突き刺す。ムカデは少し暴れた後、砂のように崩れた。

「ふぅ……」

一安心していたその時、視界の端で動くなにかを見つけた。


再化結晶(さいかけっしょう)だ___。


ヴァリァスの化け物を倒した際に出てくる暗黒の果実。

「これを破壊すれば……ヴァリァスは消滅する!」

俺は折れた剣を握りしめ、結晶を壊すと地面が崩れてバランスを崩して尻もちをついてしまった。気づけば履いていた靴の底も無くなっていた。


(おかしい……足が侵食されてないぞ?)


侵食されていたところの地面だけが綺麗に無くなっていた。ヴァリァスに侵食された部分は果実を破壊した時に共に崩壊するからだ。

なんとも不思議なことに自分の足は正常だった。おそるおそる足を触ってみたが感覚はあった。


「え……⁉嘘だろ……⁉」

その人たちは俺の靴底が無いのに気づいて足を確認し始めた。

「なんなんだよ……早く帰らせてくれよ」


 ◇


後日、俺の家にヴァリァス特殊部隊の役員がやってきた。


役員二人が俺の前に並んで座った。

「神村君、単刀直入に言うと、君はヴァリァスの侵食されない極めて稀な体質を持っている。世界中を探し回ってもおそらく君以外に存在しないだろう」

「な、なるほど……」


(つまりは特異体質……ってことか?なんで俺が?昨日調べたけど、ヴァリァスが侵食できない物質は無いはずなのに……)


役員二人は唐突に席を立った。

「神村君、我々特殊部隊からお願いがある。どうか『ヴァリァス特殊部隊養成高校』へ特待生として入学してもらえないだろうか」

「あ、はい。別にいいですよ」

グーサインと共に二つ返事で承諾すると、役員二人は俺と熱く握手を交わした。


「本当にありがとう。後日推薦状と入学手続き書をこちらへ送らせていただくよ」

「わかりました」


バタン____。


扉が閉まったとき、俺はボソッと呟いた。

「で、なんで俺は特異体質なんだ?」

「おもしろい!」「続きが気になる!」と思ってくれた方は、ページ下部にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると嬉しいです!ブックマークもよろしくお願いいたします!


毎週金、土、日曜に更新しているので、チェックの方よろしくお願いします!

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